DiaryINDEX|
past|
will
| 2010年05月03日(月) |
Southern Ocean |

さわやかな目覚め。季節外れで誰もいない朝の海岸を散歩した。やっとやっとSouthern oceanまでやってきたのだ。Jがこつこつときれいな色の貝殻を拾ってはわたしの手のひらに乗せてくれる。手のひらいっぱいになるまで波打ち際を歩き続けた。Jのやさしい背中を見守ってこんな時間がずっと続けばいいのにと思った。
かつて捕鯨船の船着き場として栄えた歴史のあるAlbanyの町でナチュラルブリッジやレプリカの捕鯨船、ウインドファーム、アンザック記念碑などをまわった。
Southern Oceanが一望できる展望台でもう帰るのがいやになっていた。
「ここに住みたい」
と言うと、Jが賛成してくれた。
午後にシティに向かってまっすぐのびたハイウェイを引き返した。別れの時間がこつこつと迫ってくるようで気が張った。Jもずっとわたしに触れていた。シティが近づいて、民家の灯りが見え始めた頃、Jが明日の夜に会おうと誘ってくれた。また明日会えると心が踊った。
「実は木曜の夜、君を旅行に誘った後、別れ際にあいさつのつもりだったけどキスなんてしちゃって怖がらせちゃったんじゃないかって心配したんだ。次の日ずっと考えてた。もう旅行には来てくれないんじゃないかと思った。」
と打ち明けられた。なんというすれ違いか。わたしは金曜の夜、旅行はどうするのかと電話したら、”君がまだ行く気があるなら行こう”などと言われ、本気じゃなかったのかとショックを受けたのだった。その夜、一緒に飲んでいたハリソンにも”そいつは社交辞令で誘っただけじゃないのか”などと後押しされ、Jは迎えにやってこないのではないかと半分諦めていた。
土曜の朝、お互いの姿を認めて、お互いに”本当に来た!!”と内心歓喜したのだった。わたしはしばらくこの旅の思い出の中に生きてしまうのだろう。