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帰国してみると、辛うじて生きていたラップトップはぽっくり死に、バラは愛想を尽かしカラカラ、仕事は山積み、そこには甘い夢からはっと覚めるような光景があった。
しかし、わたしは新たな夢の中にいた。Jと会って長いこと眠っていた熱い感情を突かれた。異性としてよりまず人間として憧れ尊敬した。自分の一番好きなことをしてごはんを食べ、余計な愛想を振りまくことなく、寡黙に自分を見つめ、家族を大事にし、他人との付き合いにおいて量より質を重んじていた。異性を愛する心を持っていても、相手に頼りきらない自立心を持っていた。
もちろん異性としても魅力的だった。マーヴと離れてから女として枯れてしまって、艶などなかっただろうわたしにやさしく水をやるように"You are my rose" などと言ってくれた。もう会えるかわからないけれど、彼に相応しい女性になりたいと思った。
立ち止まっていた場所から一歩を踏み出せるような新しい風が強く勇ましく吹いてきた。