My life as a cat
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2009年06月18日(木) 小雀の歌

雲行きの怪しい空気の重い朝、同僚が衰弱しきった小雀を手のひらに乗せて通勤してきた。触れてみると体が冷たくて硬い。蟻もたくさんたかっている。ぎゅっと目を閉じてどんどんと体温が落ちて命が尽きるのを待つばかりのように見えた。同僚が丁寧に蟻を取りのぞいた。冬の間に膝の上に置いていた小さな湯たんぽにお湯を入れて、その上に小雀を置き、膝掛けでくるんで書棚にそっと入れておいた。ネットでどうしたら助かるものかと調べてあぁだこうだと得体の知れない情報が飛び交うが名案もなく、ただただたまに覗いてはまだ息があることを確認する。しかし、みんながちょこちょこ見に来るので気が休まなかったのか、遠のく意識を取り戻すのに役立ったものか、1時間もすると目を開いた。1時間半後鳴き始める。わたしが齧っていた杏子やら同僚がつまんでいたピーナッツを水でふやかして口に入れてみた。みるみる回復してお昼前には小雀の鳴き声がやまなくなった。夕方になると立ってよちよちと歩くようになった。しかし足と羽に傷を負っているのでまだ飛べそうにない。定時のチャイムが鳴る頃、すっかりオフィスのペットのようになった小雀は同僚の手のひらに乗って嬉々と歌っていた。今日は連れてきた張本人と車に乗って帰っていった。明日また一緒に通勤してきてオフィスに癒しの歌を流し続けてくれるのか。忙しく働く大人達が一羽の鳥のレスキューに一丸となり、その回復にやんわりと心をあたためた出来事だった。


Michelina |MAIL