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開花予想は大はずれ。日本に来て間もない外国人の同僚達に日本の春を満喫してもらおうと数週間前に計画された夜桜の会はまだ堅く縮こまった蕾の下で決行。まぁ、酒を与えておけばハッピーな連中なのでよかった。わたし自身は高校生の時によく足を運んだその高台にある公園があまりにもなつかしく、倍も生きてしまった今またここに戻ってくるなんて想像もしなかっただろう。
二次会のインディアンレストランで近頃の通勤の友の一人である若い若い中国人の男の子と隣合わせになり、小さな恋に堕ちる。隣で酒を注いで、海老の殻を剥いてわたしのプレートにどうぞと乗せてくれたりする。学生時代を過した町の写真を見せてくれて、猫が大好きだと言う。外国に暮らす気持ちは体験したからわかる。ボロボロになった日本語のテキストには健気な赤線と書き込みがぎっしり。心細い酔っ払いが恋に堕ちるのは簡単だ。しかし相手は中国人。5つ以上も年上の女はご法度に違いない。いつもならちょっと風が吹くとひらりと靡いて飛んでしまう風来坊のわたしだが、今回ばかりはじっとその場にしがみついて、風が収まるのを待つことにしたのである。