My life as a cat
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2008年08月28日(木) ベニシアの庭

京都、大原にあるベニシアさんの庭がNHKで取り上げられていた。どの程度有名な人なのかわからないけれど、わたしは雑誌のたった1ページに掲載されていたのを見て彼女を知った。イギリスの貴族の家の生まれ、だがそれを捨ててアジアを放浪し、辿り付いた日本に住み着いたという破天荒な経歴が単に目を引いて覚えていただけだったが、テレビで見たら、その経歴を上回る、大きな印象のある人だった。現在は日本人と結婚し、古い民家にぎっしりと植えられた植物と共に暮らしている。日々、ノートで仕事を確認しながら、庭仕事に精を出す。一日は静かにはじまり、植物と共生する悦びに暮れていく。

「お父さんとお母さんと子供が小さな家に住んでいて、窓から小さな庭が見えて、花がたくさん咲いているのが夢だった。」
と話す。冷え切った石造りの貴族の家の恐ろしく巨大な距離感の中で見た夢なのだろう。夢はちゃんと叶ったのだ。

彼女の言葉は、歩いてきた道からひとつひとつ丁寧に摘んできた花を一本ずつみんなに分け与えるような穏やかなものだったが、それは枯れることのない花のような強く優しく美しいものだった。4度再婚した母親について、
「彼女は相手が変われば幸せになると信じていた。でもそれは違うと思う。幸せになるには自分の中に何かを見つけなければならない。解決策は自分の中にしかないの。」
という言葉は印象的だった。自分の人生を豊かにできるのは自分自身でしかないものね。


Michelina |MAIL