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もう町も人もすっかり変化してしまったと思っていたのに、シティを歩いていたらばたばたと知人に会って過去に心が吸い込まれていくようだった。駅で呼び止められて振り返ったらステファンハウスのシェアメイトのアフリカンブラックガイだった。急いでいたので数分話して別れた。用を済ませた帰り道、ハラペコでチップスでも買って食べようとファーストフード店に飛び込んだ。炭酸飲料がついてくるらしいが、コーヒーに変えてくれるように頼んだら店員の女の子は快くOKと言ってくれたのだが、レジの打ち方が解からないのかマネージャーを呼んだ。出てきたのが、、、カイルだった。何度も顔は合わせたけどデートしたのは一度きり。しかし彼にとっては人生初めてのデートだったのでとてもスペシャルだったのだ。モスレムの両親の下に育ちながら、わたしの飲酒に付き合いたかったのか、ワインに口をつけてしまい、
「ママが知ったら泣くだろう」
と言うので水をたっぷり飲ませたのだった。わたしはモスレムの男性というのは大体において無理だった。見た目がタイプじゃないし、気が合ったためしがないし、何より一夫多妻的に奴隷のように扱われる気がしない。しかし、カイルはここで生まれ育ったオージーだった。純粋無垢で盲目になり、わたしと結婚して毎日わたしが焼いたケーキを食べるのが夢だなどと言い出した。そんな、と断りつつも、そんな単純明快でただただ平穏な幸せもあるのかもしれないと考えてしまうことがあった。その後日本語の勉強をしていると一年に一度くらいメールが来ていたが一度も返信しなかった。なつかしいな。もうすぐ学校を終えてやっと就職するらしい。何か言いたげだったけれど、急いでターンしてしまった。
なんだか胸が詰まるような思いで(急いで食べ過ぎただけかなぁ)足早に歩いているとまた呼び止められた。これまた元シェアメイト。マーヴのことを聞かれて早く立ち去りたかったけど、わたし達の良い友達だったコリアンガイがまたパースに戻ってきたことを聞き出せたのはラッキーだった。マーヴに報告したらとてもエキサイトしていた。
木曜はサバーブのLate night shopping dayで、夕飯を摂ってからアレックスと出かけた。わたしはまとめ買いとか買い置きは嫌いで、その日必要なものだけを買い足すからこれといって欲しいものがない。しかし、これいる?と手に取ったものをわたしがNoと首を横に振る度にアレックスがつまらなそうに置くので少し首を縦に振ることにしたらたちまちカートはいっぱいになった。車のブートにアイスクリームやらヨーグルトやらを沢山積みこんでまたドライブ。わたし達ここの太った老夫婦の典型みたいじゃない?明日は絶対ロングウォーキングに出かけよう。