My life as a cat
My life as a cat
DiaryINDEXpastwill


2007年04月20日(金) 相変わらずなこの国

水曜の朝に寒い寒い成田空港に降り立った。またひとまわり小さくなった母と相変わらずヘンテコな服を着た妹が迎えにきてくれて、通勤ラッシュを外して帰ろうと入った喫煙できるのが普通の日本のカフェで、喉にべたべたへばりつくような煙を吸わされて帰ってきたことを実感した。

昨日は爪にスカラプチャーをつけるという妹にひっついて銀座へ行った。ひとりで歩きまわってマーヴに手紙を書こうと和紙に紫陽花の絵が入った便せんを買ってしまうと、それから何をしていいのかわからなかった。デパートの1階にいる人々は、まえに見た映画の中のマリー・アントワネットのような空虚できれいな顔をしていて、欝病にかかった妹がその中にいるように思えた。

久々に日本へ帰ると浦島太郎のようだとみんな言うけれど、それはまたそこに馴染もうという興味を持って見つめている人だけが持つ感想なのかもしれない。わたしにはもうどこがどう変わったのかわからない、「ただただ毎日めまぐるしく新しい物が生み出される国」ということだけが逆にこの国の変わらないところだと思う。

ここでわたしに元気をくれるのはなんといっても食べ物だ。筍ごはんや昆布の佃煮、セリ入りの卵焼き、めかぶなどを口に入れるとき日本人でよかったと思う。美味しい話ばかりを拘置所で何を食べさせられているのかわからないマーヴへの手紙に書き連ねて、もしかしたらわたしってヒドイ?と悩んで、最後に「いつか絶対あなたを日本に招待します」と加えておいた。


Michelina |MAIL