My life as a cat
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2007年04月15日(日) 一筋の光

帰国の準備も一段落ついて、この週末はナエちゃん&デニス夫妻とたっぷり一緒に過ごすつもりだった。昨日は一年に一度開催されるブディストのけっこう大きなフェスティバルへ行って、屋台で売られているベジタリアン・フードをつまみながら、中国人らしいと苦笑いしてしまうほどせっかちに打ち上げられる花火を鑑賞した。そして車に戻ってみるとブロークインされて着替えを詰めたわたしのバックパックが盗られていた。すっかり気分を害して三人で割られたガラスの始末をして家路に着く途中、楽天的なデニスが言った。「悪いことの後にはいいことがくるから楽しみだな。」と。

それは本当だった。昨夜泊まった彼らの家で午後の時間をまったりとおしゃべりに費やしているとわたしの電話がなった。とると、なつかしいマーヴの声がした。一ヶ月半ぶりに聞く彼の声に卒倒しそうになりながら一生懸命話した。刑務所内の病院は比較的自由で、彼はジムで軽いエクササイズをして、大好物のチョコレートを買って食べて、シンプソンズもちゃんとみて、明日になったらお兄ちゃんからお金が届くので画材を買ってペインティングを始めるつもりだという。夜になかなか寝つけないというものの人間が変わってしまうほどの落胆ぶりはなかったことに胸を撫で下ろした。そしてしつこいくらいに「またパースに帰ってくるよね?」と繰りかえされて、今逃げるように帰国してしまうこと、そうしなければならないことを切なく思った。何があったのか真相など知らなくてもいい。わたしはあなたが悪いことをしたなどというのは絶対に信じないし、何よりもあなたはわたしの大切な人なのだから健康になって帰ってきてくれるのを待っているからと伝えることができて胸がいっぱいになった。

夜に雨の中、東南アジアの屋台のような食堂へ行った。みんなでヌードルをすすりながら他愛ないおしゃべりに花を咲かせた。すっかり萎縮していた胃袋にたっぷり栄養を詰め込んで、久しぶりに腹の底から笑った。


Michelina |MAIL