My life as a cat
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2007年03月19日(月) 過去に戻れたら

何が悪いのか、マーヴが拘置所から再び病院に戻されて一週間以上経った。「体調は回復してきてる」というお兄ちゃんの言葉だけが頼りなのに、それでは何故そんなに長く入院しているのか、病んでしまったのは体ではなくて精神なのではないだろうかと思いはじめては心細くなる。

ただただ苦しくて孤独な思いも峠を越えて、彼を救わなければという力がほんのり灯りはじめた。こんな理不尽なアクシデントで若くて健康な心身を蝕ばまれて人生を左右されてしまうべきではない。無力な正義感と解かっていても、今はこのわたしの中で一番強靭な感情に頼って自分を奮い立たせることしかできない。

夜に、「もう寝ようね」と目を瞑ってからよくマーヴがこんなことを聞いてきた。
「過去に戻れるとしたらいつに帰りたい?」
わたしは、戻らなくいい、今でいい、と決まって答えていたけれど、彼はいつも「僕はね、子供の頃、僕の犬が車に轢かれちゃう寸前に戻って、ちゃんとゲートを閉めたいな」とか「学校のテストやり直したいな」とか言った。一度も口にはださなかったけど、きっとその中に、数年前のその日に戻って一本違うストリートを選んで通っていたらというのも入っていたのでしょう。


Michelina |MAIL