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My life as a cat DiaryINDEX|past|will
何の前触れもなく日本から届いた封筒を開けると一冊の和書が入っていた。亡き須賀敦子の軌跡を追った旅の写真と解説の本。和書も尽きて洋書に没頭するあまり「自分の中の日本」はどこか遠くへ行ってしまっていたところで、パッと目が覚めたような気分。須賀敦子さんは言葉を大切に大切に使っているところが好き。そしてそんなことまで伝わるのは和書でしかない。英語の真意が解かるまでにはまだまだ時間が必要。いや、もしかしたら一生できないのかもとも思う。そんな二つの言語の間で揺れ動く気持ちに共感させられながらも少しだけ違った風を送り込んでくれるのも彼女のエッセイの魅力だ。
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