My life as a cat
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2006年06月23日(金) 赤ワインの探求

冷え込みがきつくなってからはナエちゃんと飲む「金曜の夜のワイン」はもっぱら赤になった。好みだけで飲み漁って早4年。さすがにわたし達ももうちょっと語れるように知識をつけましょうと、二人して猿真似のようにグラスを振ってみたり、匂いを嗅いでみたり、飲み込む前に口内に留めてみたりして、酔う前に味について語り合う時間を持つようになった。気に入ったものは名前の入ったコルクをキープしておく。

今日は夕方の買い物ついでにボトル・ショップで今夜のワインを物色して、一本を選んでレジに向かおうとすると、突然背後から"Excuse me"と遠慮がちな男の声がして、振り返ると中国人が立っていた。「あの、もしよかったらこのワインにしてみませんか?あなたが手にしてるのと値段も葡萄の種類も一緒で、すごくビューティフルなんです。」これが地味めの雰囲気の白人男だったらすぐにあら、そうと信用してそちらに持ち替えたかもしれないけれど、まさか中国人の男に"ビューティフルなワイン"などを語られても胡散臭いという気がした。が、彼はさっとどんな味がするのかなどと流すように言ってから、自分はシンガポール人でビジネスでこことシンガポールと東京を行き来しているなどと話し出した。結局のところは、今度あなたと食事したいというところだったのだけれど、中国人にしては周囲と格差をつけてエレガントな雰囲気だったし、まぁ5ドルのディスカウント付でたったの10ドル、騙されてもいいかとカベルネ・ソーヴィニョン2003のそのワインを購入した。

その男はまぁシンガポールにGFがいて、ビジネス・トリップの間に遊ぶ女の子も欲しいといったところでしょう、でも仕事柄ワインに詳しいのは本当かも、などと彼の話題をつまみに一口含んでみる。一瞬さっぱりとした喉越しでスルリと飲めてしまうように感じるけれど、口内に留めると深い味が広がって鼻腔にもぐっとくる。これはいいと二人して上機嫌。顔を熱らせ楽しい会話に花を咲かせた。

でもでも、なんだかんだと薀蓄を垂れても、結局のところワインが美味しいのはこの気候とのびのびとした街の雰囲気と愉快な仲間と楽しい会話のおかげでしょう。


Michelina |MAIL