My life as a cat
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2006年06月24日(土) 命のビザ

マンダリン(Mandurin)というスワン・バレーより更に奥のまだメジャーでも何でもない(アレックスはここの土地は跳ね上がると踏んでいるのだけれど。何故なら丘なのでシティが一望できるのです!)ところへドライブ。乾いたWAではなかなか見ない水分をたっぷり含んだような濃い緑色の葉をつけた木々から成る森は日本を思い出させる。カルグーリーまでひかれたウォーター・パイプに沿っていくとダムがある。人口増加に対して水の供給はこれからどうしていくのでしょうね。

夜に「日本のシンドラー」と呼ばれた今は亡き杉原千畝についてのテレビ番組がやっていた。1940年、ナチス占領下のポーランドから逃亡を嘆願してリトアニアの日本総領事館に押し掛けたユダヤ人に、本国政府からの命令に背いて、独断で6000人にトランジット・ビザを発給し、彼らの命を救った外交官。終戦を迎え本国に戻ったところを辞職に追い込まれ、その後は愛する家族を支える為だけにどんな仕事でもやったという。当時ロシアで彼に食事に招かれた人は「マーケットでポテトとソーセージを買って、ひとつしかない小さなガス台でそれを煮てくれました。そんな食事が彼にとってはスペシャルなものなのだと驚きました。」と語っていた。嵐が過ぎ去って余生を踏みしめるように夫人と海岸をゆっくり歩く老いぼれた姿にも、自らのエリート人生を棒に振ってでも心の声に服従した揺ぎ無い確信が刻まれているようだった。


Michelina |MAIL