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My life as a cat DiaryINDEX|past|will
夕方にふらりと遊びにきたリサとあてもなく夜のシティを散歩した。彼女が数年前から旅先で弟のために買い集めたTシャツコレクションのこと、ここにいても依然噂好きの日本人社会のこと、そしてヨーロピアン男の考え方などについて話しながら。彼女の見解とダレンの言動がピッタリと噛みあっていて、そしてそれはわたしにはどうしても出来ない考え方で、日頃は先進国同志じゃないと軽く付き合えるような感覚だった二人ともが少し遠い国の人に思えた。パブの前で突然リサは立ち止まり、「いい?ここにお気に入りのバーテンダーがいるの。ちょっと長髪の黒髪よ。一瞬ちらりと見て通り過ぎるからね。」と言ってひとつ深呼吸をしてただでさえ長い脚で足早に歩き始めた。わたしは端から追いついて行く気もなく、ガラスに張り付いてどれだ?と眺めていて腕を掴まれ引きずられた。リサは"弱くしたアントニオ・バンデラス"と表現したわたしを遮って"強くしたジョニー・デップ"だと言い張った。「電話番号渡した?」と尋ねると、「彼の友達がわたしを気に入っているからそれは出来ないわ。わたしの人生はいっつもこうよ。」と嘆いていた。
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