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My life as a cat DiaryINDEX|past|will
待ち合わせ場所へ向かう途中、「北イタリア人」のリサとばったり会った。イタリアに帰るまでの3ヶ月にするバイトを探しているのだけれど、なかなかいい所が見つからないという。「ねぇ、ここには"フツウ"の人間がいないのかしら?」と疲れ果てた様子。日本やイタリアのような単一民族の国と違って、ここでは"常識"とか"フツウ"という定義があまりにも曖昧で、どんな人間でも受け入れられてしまうような寛容さがあって暮らし易い半面、自分の中の常識では解釈できない人間も多くて、わたしなどもたまに辟易してしまうから、彼女の言わんとしてることはよ〜く解かる。イタリアン・レストランで働くのは簡単だけど、ここは口の利き方を知らない南イタリア人ばかり、アジア系のレストランにもトライしたけど、オーナーはチャイニーズ・ビッチで奴隷扱いされたし、オージーのレストランは短期ではなかなか雇ってくれないし、、、、という。ブラウンのストレートの長い髪にブラウン・アイズで、背もスラリと高いモデル体型の彼女が、ちびっ子南イタリア人やチャイニーズ・ビッチに酷使されて息切れしているところを想像して吹きだしてしまったが、いや、笑いごとじゃない。「オージーのカフェで長期でできますって言っちゃえば?」というと「ダメよ。わたしは嘘をついたことがないんだから」と長いまつげを伏せて溜息をつく。"Oh! so you are northern Italian!"というと"Sure"と急に誇りに満ちた表情になった。長靴の国の人なのね。
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