My life as a cat
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2006年05月21日(日) みんな懸命で

ひとりで過ごす夕方は歩いて15分の大きな公園に行くのが日課。今は木の葉も色を変えて公園全体が鮮やかな山吹色に染まっている。池の周りを散歩しては芝生に寝転んで読書に耽って、日が暮れるととぼとぼと家に戻る。

ペットの白いオウムを連れた老人は今日はいなかった。このオウムは老人のガール・フレンドなのだ。既に25年連れ添っているが、普通なら200年生きるから余命推定175年なのだそうだ。確実に老人のほうが先に逝く。彼がわたしと話していると肩に乗って、ヤキモチを焼くようにチュッチュと彼の頬にキスして、彼がエクササイズといって体を動かすと、ピッタリ同じように真似る。彼が逝ってしまったら淋しくなるのだろうな。それでなくても鳥は群れることを好むのに。

ピクニックを楽しむ家族連れで日曜日は少し賑やか。熱中していたエッセイの中では、平凡に結婚することだけを夢見てきたのに、戦争に巻き込まれているうちに行き遅れ、仕方なくエリートとして生きてイタリアに留学した韓国人女性が精神を病んでしまう。そのあたりで一番星が空に現れて、本を閉じて家に向かった。

みんなみんな希望通りに生きられるわけではない。努力が足りないとか夢に向かおうとする力が弱いとか、きっとそれだけではない。わたしだって、ひたすらこの大きな空の下にいたいだけなのに、それでも明日はどこにいるのかわからない。どこにいても何をしていても自分を見失わないませんように、とお腹に力をこめた。


Michelina |MAIL