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| 2006年04月30日(日) |
Sunday roast |
日中はぽかぽかと暖かくて、家の庭にどこかからふと現れては1メートルくらい離れた場所で喉を鳴らしていく、グレイの小さくて弱々しい体つきの猫、トロイ(ここの住人にそう呼ばれている)とかくれんぼをして時間が過ぎていく。日曜はこの家のオーナーのステファンも庭仕事をしていて、いつもより騒々しい。
お昼過ぎにひと仕事終えたステファンに誘われて、テクテクと歩いてランチをしにいった。目の前でたっぷりと盛られたロースト・ビーフを食べる彼を見て、何故わたしを誘ったのか解って少し切なくなった。イギリス人のサンデー・ローストは家族の絆を深めるものとされているのに、彼には家族がいないからだ。ちゃんとした会社でいいポジションについてお金の運用のプロフェッショナルなのだから自身がお金に困ることなどない。それでも本人の興味は全くそんなところにない。もう一度あたたかい家族を持つことだけを夢見ているような感じだ。そして別れの辛さをきっとよく覚えているのだろう。ダディと呼びたくなるほどわたしを心配してくれて面倒を見てくれる。
なぜか「使っちゃう人と使われちゃう人」の話題になって「女が男を使うのはまだマシで、男が女を使い始めたら世界の終わりだと思う」などと発言したら「エェーー!?」と息をのんでいた。彼がプライベートな時間はいつもよれたシャツで裸足で歩き回って、全くお金などと縁がなさそうな出で立ちをしているのは、お金に寄って来られたことがあったからではないかなどと深読みした。
そこで別れてわたしは公園へ。芝生に寝転んで午後を過ごした。