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ケビンに誘われ、彼の友達と総勢15人くらいでわんさかとパースから車で1時間のマンジュラへでかけた。人懐っこい中国系マレーシア人のシルビーに、そんな靴ではダメ、これを履いてとか、帽子は?などと言われて初めてこれはただのドライブではない、釣りに行くのだと知った。シルビーはバンビのような愛らしい目と絹のような肌、グラマラスな体を持っているにもかかわらず、たっぷりとしたシャツにハーフパンツ、学生らしい大きなリュックに色んな物を詰め込んで背負っている。どう考えても普段女らしい恰好をしているとは思えない。中国人ってこういうもったいない人多いなぁ。
ビューティフル!!なマンジュラの町に到着し、みんなせっせと釣り道具を用意し始めた。わたしは少し離れて少し気持ちが悪くなりながら遠目に見ていた。ブロウフィッシュ(フグのような毒を持った魚)がかかるとみんな堤防の上にぽんと放り投げて見棄てる。わたしは苦しそうにバタバタとしながら干からびていくそれをどうしても見ていられなかった。あぁマーティンがいたら、と思った。彼はいつも散歩の途中、橋の上で立ち止まっては、捨てられたブロウフィッシュを一尾ずつ眺めて、まだ呼吸をしているものは水に帰してくれた。彼のような体の大きな男が小さな魚を思いやる姿にいつも少し胸が熱くなった。わたしは立ち上がってブロウフィッシュを水に帰した。政府はこの魚は欲しくないんだよ、などと理屈を言われたけれど、わたしの感情がどうしても止まらなかった。
車の中へ戻って寝ていた。もう釣りなど二度と着いてくるまいと決めた。