My life as a cat
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2006年03月09日(木) リハビリテーション

朝になるときちんと目を覚ましてしまうことに失望してしまう。けれどこの大きな物体がわたしの生活から消えてしまうなど実感が沸かないほどいつもと同じ朝がある。窓を開けて車に乗り込むマーティンに手を振って。

お互いが移民で生活が不安定だった3年半。悩んで悩んでやっと見つけ出した未来のビジョン。一緒にいることを前提にしたものだったから、今は自分の未来に何も見えなくてただただ過去にしがみついて足が竦んでしまっている。

帰国している間に友人・知人からよくマーティンに会えなくて淋しいでしょうと言われました。けれどわたしは別にそうでもないと答えました。ある人はちょっとひきつった表情をしてそういうクールな関係なのね、、、と言いました。簡潔に説明がつかないので黙っていたけれど、本当はクールなんかじゃありませんでした。わたし達は一日起きたつまらない出来事をいちいち報告しあっていました。わたしがどこで何をしていてもわたしの存在を認識してくれている人がいるという安心でしっかり繋がっているような気がしていたのです。他人の理解を得ることは難しいですね。いつもいつもこんな風に勘違いされて生きてきたように思います(あっ、もちろん他人のせいではありません)。

日中はひとりでぼんやりとわたしのPCに詰った写真をスライドショーで流して眺めていました。マーティンと知り合う前のわたしも楽しそうに笑っていました。きっとわたしは大丈夫と一瞬少しだけ勇気を得ました。

さて、これからは自分でドアを開けなければいけません。道路を渡る時の左右確認も。階段を登るときはしっかり手すりにつかまって。風が冷たい時は自分で風の来ない場所を探さなくては。よし、リハビリだ!とドアの前で小走りになって勢いよくノブを引きました。ん?開かない。「ミケリーナ、何やってるの?そこは倉庫だよ」と言われました。

夜に赤ワインやサラダやケーキを買ってベッドの上に広げてピクニックをしました。思い出話をして二人して沢山泣きました。わたし達の幸せな過去を未来に繋げることができなかった無念をこめて本当に沢山。


Michelina |MAIL