My life as a cat
My life as a cat
DiaryINDEXpastwill


2006年02月23日(木) 黄色い薔薇

パースでシェアハウスに住んでいた頃、就寝中に窓ガラスを割られ数人の強盗が押し入ってきた。まだ動悸の冷めやらぬその二日後の夜、マーティンと中華料理屋の二階の席でぼそぼそと無言で夕飯を食べていた。が、一度口を開いたら最後、胸の奥からこみあげる恐怖の記憶と大事にしていた物を盗られた悲しみとで事の顛末を吐き出しながらポロポロと泣きだしてしまった。うろたえるマーティン。そこに薔薇売りのおじさんがいつものごとくやってきた。普段は"食事中に鬱陶しい"と文句を言うのに今日ばかりはグッドタイミング。勢いよく呼び止め人差し指を立てた。「何色?」とおじさんがマーティンに聞く。わたしは少し泣き止んで薄目を開けてみた。ピンク、赤、白、黄色がある。心の中で"わたしだったら黄色は選ばないわっ"と思った次の瞬間、マーティンは"Yellow"と答えた。わたしはプッと吹きだしてあっさり泣き止んでしまった。その夜、マーティンはその黄色い薔薇をコップに挿してベッドの脇に置いてくれた。

なぜこんな話を思い出したかといえば今日鑑賞したリチャード・ギア主演の"Breathless"という古い古い映画の中で強盗役の彼が"I like yellow"と呟きながら他人の家の庭からピックした黄色い薔薇を口説き中の女に贈っていたから。

しかしこの映画はリチャード・ギアのお宝映像と言っていいだろう。服装も髪型も身のこなしもシブガキ隊を思い出させるようなやんちゃぶりで、フォー!とかベイベー!なんて叫んじゃって、ヘアヌードまでお披露目。すごくエキサイティングな映画だった(笑)。


Michelina |MAIL