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| 2006年02月21日(火) |
Autumn in New York |
新婚生活を謳歌しているはずと思いこんでいた友達から二本立て続けに届いた幸薄い近況報告。「旦那はよくやってくれてるけど、わたしは結婚には向かないのよ、やっぱり。もしかしたら、と思ってしたけど、やっぱり駄目だったわ。」と一人目。「旦那は飲み歩いてるわ。仕事が大変なんだって。わたしは育児ノイローゼになりそう。子連れ離婚ってきついのかなぁ、、、。」と二人目。自分の未知の世界を映し出した暗いヴィジョンに心がどんより重くなる。結婚が夢の中に浮いているようなものだなんて思っていない。けれど少なくとも新婚の一時くらいこれから一緒に余生を歩いていくのだという決意に満ちていたい。
ぼんやりとたっぷり時間をかけて夕飯の仕度をした。ポテトとコーンのコロッケとキャベツの千切り、玄米ごはん、青梗菜の味噌汁。オーストラリアのポテトで作るコロッケは絶品。こんな日の食後のDVDは主人公が一瞬でも世界一幸せなものがいいと"Autumn in New York"を選んだ。一度目に観た時はただ単純で臭いラブストーリーだと思ったのに、今日の心の状態では随分と輝いて見えた。秋のニューヨークなんてもうそれだけで観るもの全てに恋に落ちてしまいそう。リチャード・ギアが軽快に盛り付ける料理に、ウィノナ・ライダーの活き活きした表情に、朝焼けに染まる自由の女神に。そして秋の木の葉のように散った数々の恋と命、その中で新たに息吹き始める愛と希望。どんなに哀しんでも季節は巡る。一瞬の夢と希望も挫折と失脚も全てが自由の女神に見守られているようなニューヨークにはこんな人間劇が似合う。
しかしマンハッタンの景観の中に世界貿易センタービルがしっかりと二本聳えているだけで古き良き時代のアメリカのように思えてしまう。