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| 2006年01月16日(月) |
Where is the passion? |
彼女はいつもその男を「唯一信頼して悩みを相談できる上司」だと同僚のわたしに話していた。
前職場では、新卒のコよりも摩れていて、結婚適齢期のくせにのんびりと未婚のわたし達は、適当な遊び相手として妙に男性の人気を集めることができた。また、男の中にぽつりと放り込まれた紅一点というポジション的にも、女性ばかりの部署のコを誘えばすぐに噂となってひろまってしまうことを考えれば声をかけやすかったのだろう。至って普通の日常のように既婚者からも個人的な誘いを受け誰も信用できなかった。男女の本能の違いなのだろうけれど、わたしはまず人間性を信頼できなければ異性に魅力を感じることもないのに対し、あちらはわたしの人間性など見ずにいきなり異性として興味を持てるらしかった。時間的にも精神的にもゆとりのない職場で人間性を見て欲しいなどと思うのは利益に直接関与しない人間の戯言なのかもしれないが、それがなければどこに希望を見出していいのかわからなかった。
そんな人間関係の荒廃した職場でただひたすら悩みをきいてくれるその男は彼女にとってオアシスのような存在だっただろう。
それが、今日彼女から届いた一通のメールには既婚のその男にアプローチされるようになり、もう「唯一信頼して悩みを相談できる上司」ではなくなってしまったと書かれていた。文面から彼女の職場での孤独さが伝わってきてそれが不憫で泣けてきた。その男は本気で彼女のことが好きなのかもしれない。結婚したからといって世の中から魅力的な人間が減るわけではないし、空に浮かんだ雲のように風が吹けば移り動いていく人間の気持ちに白黒つけることなどできない。けれど、あまりにも簡単に一度愛しぬくと決めた相手を裏切れる人が多すぎて、情熱はどこにあったのかと聞きたくなる。そしてその男は好意を抱いている彼女をもっと孤独にしてしまった。
愛ってなんだろう。年をとればとるほど五里霧中になっていく。