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夕暮れ時に裏山に登った。よく見ると叢と同じ色をしたカンガルー達が沢山寝そべっている。"ダルマさんが転んだ"みたいに親子のカンガルーが叢に顔をうずめて夢中で草を食べている隙に素早く忍び足で近寄り、彼らが顔を上げて目があうと静止してよそ見をする。そうして5mくらいまで近づいた時にジャンプして逃げられてしまった。トランポリンの上で跳ねているようなすごいバネ。野うさぎや野鳥を見ながらトコトコと小道を登り頂上を目指した。
頂上に着くと視界にはわたし達の住む丘と人工的に作られた湖(ダム)が広がる。その付近で花を見たりして遊んでいるとさっきまで夕暮れ色に染まっていた町が静かに夜の帳に包まれはじめ民家に点々と明かりが灯りだした。何故か母親が作るアジの唐揚げの味を思い出した。濃い醤油と酢に漬けてあって白髪ネギがたっぷり乗っている。これはわたしの大好物でこれが食卓に乗る日は沢山ごはんを食べた。わたしは魚の調理は出来ないからこれは完全なオフクロの味。咄嗟に早くオウチに帰らなくちゃと思い、オウチは遥か空の彼方だと気付いて急にホームシックに襲われた。向こうの山の上空を飛んでいる飛行機にしがみついて成田まで飛んでしまいたかった。たまに世界がこんなに広いことが嫌になる。
裏山を降りて町に戻ると辺りはもう完全に暗くなっていて、民家からこぼれてくる家族の声と小さく灯されたクリスマスのイルミネーションが温かかった。