気がつきゃライブの時間だぜ
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| 2010年01月11日(月) |
◎新春ライブ@大阪厚生年金会館 |
さて、11日。 新春ライブの3日目は、8年振りの大阪厚生年金会館です。 わたしが初めてエレファントカシマシのライブを見たのも 1998年の大阪厚生年金会館。 懐かしいです。
で、今日の席は、なんと!
A列!! 29番!!
10年近くPAOを更新し続けていますが、 こんないい席は初めてです。 まるで、初めてライブに行くかのように 朝からそわそわどきどき、 何も手につきませんでした。
で、席に向かってみると 大阪厚生年金会館は オーケストピットがあるのですが、 そこはふさがれていて 本来のステージのところにセッティングがしてあります。
なので、マイクの位置は 少し奥にあるのですが、 ふさがれているオーケスラピットと A列の座席には ほとんど距離がなく 座っている足が窮屈なくらいです。
これは、ここまで出てきて歌ってくれたら・・・・。
ちょっと待った。 今、想像するのはやめよう。 頭がぼお・・・としてきた。
あまりの緊張に、わたしはお隣の方に話しかけ、 しばらく相手になっていただいたくらいです。
その節は、ありがとうございました。
いよいよライブの始まり。
すみません、一曲目、聴いてません。
ただただかっこいい・・・。 あのボッサボサな長髪も3日目になると 見慣れたってわけではないんですが、 なんか様になってきてて とても素敵でした。
「今はここが真ん中さ!」は、歌の間に ほっぺたをふくらませて 左右ペコペコさせてたのがおかしかったです。
『今は大阪厚生年金が真ん中だぜ』って言うてたかな。
がんばったんやけど、「会館」が押し込められんかったんやね。
後半の
『ひーひー まわってる世界の ひーひー 真ん中だぜ』
の、「ひーひー」はおかしかった。
「おかみさん」では、歌の前に
「5歳でもおかみさん」(ギターをじゃら〜ん) 「2歳でもおやじさん」(ギターをじゃら〜ん)
やっぱり浄瑠璃や、これ。
3日間もいったので なんかよくわからなくなりましたが、 「わかるかなあ、わかんねえだろうな」みたいな、 しょかくやちとせっぽいものがありましたかね?
間奏のギター合戦では、 石くんの耳のあたりをつかんで 頭突きをしていました。
え〜と、それから、「東京タワー」のところで 「通天閣」 と言ったような気もします。
記憶はあいまいなのですが、 「いえ―!」と盛り上がってる自分を覚えてるので たぶん「通天閣」と言ったんだと思います。
「ゴッドファーザー」の曲で、 わたしが一番聞きたい歌詞は、
『オレ泣いちゃうよメソメソ』
なんです。 だって、こんな歌詞、まあどこ探したってないでしょ。 ところが、この日はこの歌詞をすっ飛ばしてしまいました。
ちょっと残念。
「すまねえ魂」の前には、 下を向いて ちょっとかっこつけたふうに
「さがしてる・・・ さがしてる・・・・。」
と言った後、急におもいだしたかのように 顔をあげて 調子も突然フレンドリーになって
「あ、あけましておめでとうございます。」
と言いました。 きっと、まだご挨拶していなかったことを 突然思い出したんでしょうね。
だからといって、ここんとこじゃなくてもいいのに 律儀な方ですね。
そして、
「あの、古い曲ばかり・・・ いや、いろいろ。 ・・・・支離滅裂ですね。」
・・・・まさにそのとおりです。
それで、歌が始まったんですけど、 久しぶりに意味不明なうろうろがありました。
左右の後ろの幕のところまで行ったり、 スピーカーをさわってみたり、 かがみこんでライトをさわったり、 段差のところから落ちそうに下りてみたり、 なんかこの落ち着きのなさが ものすごくうれしかったです。
そうなんよ、この歌をよく歌ってたころは こんな感じで 意味不明にうろうろして なんていうんかなあ、 揺れる宮本さんの気持ちが なんともいえない愛おしさで伝わってきてたもんやねん。
揺れてる内容はちがうかもしれへんけど 宮本さんはやっぱり ずっとさがしもとめて落ちつかへん人なんやなあって感じました。
「ネヴァーエンディングストーリー」は、 これまたものすごくきれいな声でした。
この歌、いつも丁寧に歌うよね。 目の前に具象が見えているんでしょうね。
その声の美しさと思いの深さに 拍手も忘れるほどに聞き惚れてしまいました。
今日の圧巻は なんといっても 「化ケモノ青年」だったと思います。 初めのうちは 別にいつもと変わりなく歌ってたんやけど 後半あたりから 突然前の方に出てきて それから 全速力で向かって右の方向へ走り出したのです。
マイクのコードが、前のライトにからまって 宮本さんの走る方向にひきずられていきました。
マイクスタンドがひきずられる「犬の散歩」は 何度でも見たことがありますが、 (というか、その頃はほぼ毎回)
ライトをひきずっていくのは初めて見ました。
で、今度は、反対の左側に向かって全力疾走。 もちろん今度は、ライトは左へずるずる。
ここで、登場したのは、 かなりあわてふためいた風のスタッフさんです。
そりゃね、昔は大変だったと思うんですよ、スタッフさん。 なんせ、あちこちにマイクコードからめるわ、 ドラムセットなぎ倒すわ、 モニター転がすわ、 しょちゅう歌の途中にも出てきて せっせとお仕事されてました。
それに比べたら 今はそんなこともないし、 その頃のことを忘れかかってたりもしてたことでしょう。
それが、まるであの頃を思い出させるかのような てきぱきとした動きで ライトにからまったコードを 一所懸命はずしておられました。
ところが、宮本さんの方はそんなことはお構いなし。 まだまだ暴れたりないみたいで スタッフさんは とうとうそのライトを抱えて 舞台そでに入っていかれました。
きっとそででゆっくりはずすんやろな。
と、頭の中でちらとおもったものの、 わたしの方は、 自分の目の前ぎりぎりのところを 全速力ではしっていく宮本さんに大興奮です。
それは、目の前に宮本さんがいるという盛り上がりではなく、 なんかこんなテンションで大暴れしている宮本さんって 最近あんまり見たことなかったので ものすごくうれしかったんです。
このエキセントリックさ。 最高。
後で思ったのですが、 東京の二日間のライブは とっても素敵でしたが、 ある意味優等生っぽい感じのライブでした。
それにくらべると、大阪のライブは、 やんちゃそのもの。
わたしたちのよく知ってる宮本さんがそこにいました。
わたしは、前々から思ってたのですけど、 宮本さんって 地元の方が ちょっとかっこつけたライブをしますよね。 なんでなんでしょうね。
ま、そんなわけで、大騒ぎで「化ケモノ青年」が終わったわけですが、 宮本さんは、
「大阪厚生年金会館は、久しぶりで懐かしいって言うか、 ここ、左右に走れるんだよね。」
ああ、やっぱり宮本さんも懐かしかったんか。
そして、
「大阪は歴史が深くて、歩くと身が引き締まる思いがします。」
あ、そうなんですか、 それはそれは、どうもありがとうございます。 全国のみなさん、わたしたち大阪人は 聖徳太子をとなりのおっちゃんかなんかのように思ってます。
あ、そうそう、そでに持ち込まれたライトは その後 二度ともどってきませんでした。
つまり、あれは、フットライトっていうんですかね、 それなしで あとのライブは続きましたとさ。
新曲の 「この指とまれ」は、 ギターをかけて、マイクの前に来て
「え・・・と、え・・・と、・・・・。」
すると会場から、
「しあわせよ、この指とまれ!」
という声がして、
「あ、そうそう、それ。」
で、今度は、ギターをじゃら〜んとならして、また、
「え・・・・と・・・・。」
会場にくすくすと笑いがもれると
「緊張するんだよ、新曲は。」
って、言ってました。
歌の方は、東京の二日目よりももっと完成していました。 もう宮本さんの中には、 この歌の完成のイメージがしっかりと作られているのでしょうね。
「赤き空」の方も、とてもよかったです。
この後は、「FLYER」ですが、 この曲の時かどうか記憶はないのですけど、 「いい時も へっ・・・みたいな時もあります。」
みたいなことを言って 「へっ・・・」のところでみんなが笑うと 一度後ろむきかけてたのが、 また前を向いて
「ウケた。」
って言ってました。 わざわざマイクの前にもどってきて言うのがおかしかったです。
本編最後は、「俺たちの明日」でした。
もうライトがいっぱいに輝いて 宮本さんの顔を照らしていて 宮本さんの顔は、とてもきれいに見えました。
ところが、その宮本さん越しに見える石くんの 鬼瓦のような表情は めちゃめちゃおかしかったです。
ええコンビやな、ほんま。
アンコールは、 「リッスントゥザミュージック」から始まりました。
『尽きない尽きない思い』のところが、 美しくも、力強くも響きました。
「地元のダンナ」は、 わたしの気持ちの中では、 あのJCBホールに匹敵するくらいに盛り上がりました。 ひとりJCBホール、ってのをやってしまったような気がします。
この歌、わたし、ほんまにすきです。 あのねえ、言ってみりゃ、 「歴史前夜」、 「地元のダンナ」みたいな歌になるとばかり思ってました。
て言うか、こういう歌にしてほしかったなあって気がします。
「笑顔の未来へ」の後、 宮本さんは、スタッフさんや、メンバーに なにか話していました。
これは、なんか予定されてなかった歌がくるな、と思ってたら 「翳りゆく部屋」でした。
完璧でした。
『どんな運命が』 の 「が」は、 力が入りすぎてるわけでもなく、 声のハリが足らないでもなく、 もうこれが、一番いい声の出しどころ、っていうくらい、 すんばらしい歌声でした。
こんなんあり?
すごすぎるやん。
2回目のアンコールは、もちろん 「待つ男」。
実はですね、わたしはもう、 本編の終わりが近づいてくるころから この場所で 「待つ男」が聞けるんや、と思うと 心臓がバクバクしてたんです。
ついにくるぞ!
きた―――っ!!!!!
思えば、わたしが初めて「待つ男」を聞いたのも、 ここ、大阪でした。
忘れもしません、 トミのドラムが気にいらなくて マイクを投げつけた後、 予定外に歌いだしたものでした。
もう大感激!
トミのおかげや、トミ、どうもありがとう、と 心の中で拝みました。
あれからなんと、 この「待つ男」は、10回目の「待つ男」なんですが、 初めて聞いた時となんら変わりない、 衝撃と興奮と感動でした。
ほんとにすごい歌ですね。
宮本さんは、まるで狂気に取り付かれたような目で虚空を見据え、 右へ左へ ふらふらよたよたしながら、 あの、なんか、文楽の「伊勢音頭」で、 貢が妖刀に操られ、 次々と周りの人を斬っていく、 そんな場面を彷彿とさせられるような気がしました。
そんな中、宮本さんは、 しゃがみこまんばかりに二つ折れになって 絶叫しながら すっと手を伸ばして 床の上の何かを拾いました。
なにを拾ったかといいますと、 はい。
ゴミでした。
卒倒しかかるほどに感動していたわたしも 思わず、
「え。 なんで。」
でも、それは、感動が薄れるのではなくて 感動しまくってる頭の片隅で 「????」 になっただけのことで、
どっちかというと この破格な歌に その行動は かえって色をそえたような気さえしました。
そんなふうに感じるわたしも かなり変ですわな。
で、宮本さまは、 そのゴミをステージの後ろの方まで 捨てに行かれました。
なんと清潔好きな。
『らたつらたつたっ!!』 (ゴン! ・・・マイクを捨てる音)
これで、新春ライブはすべてが終わりました。
夢のようでした。 なんたって「待つ男」を3回も聞いたんですよ。 もういい、もういいわ。 なんにもいいません。 おありがとうございます。
はっきりいって 半泣きでした。
でも感激はこれだけでは終わりませんでした。 ライブの後、エレ友さんたち8人で 心斎橋の居酒屋さんへ 夕食に行きました。
ライブの感動を口々に話しながら お酒やお料理を口に運んでいると 店長さんがやってきて
「あの、もしかしたら、みなさん、 エレカシのファンの方ですか。」
「はい、そうです!」
「いや、なんか、 『石くん』とか『化ケモノ青年』とか聞こえたから。 僕もすきなんですよ。」
そこでまたみんな、大興奮です。
「ライブの帰りなんです!」 「今度DVDがでるんですよ!」 「これ、チラシです。 わたし二枚持ってるんであげます!」
すると、そのチラシをガン見の店長。 うれしいじゃないですか。
そんな興奮もややおさまって また、ライブの話しに戻りかけたころ、 店内に聞きなれたギターのカッティングの音が流れました。
こ、これって?!
間髪入れずに続く、
『悲しみの果ての果てに 何があるかなんて』
の歌声。
そうです、店長さんがエレファントカシマシをかけてくださったんです。
そうわかった瞬間、 ぐっと涙がこみ上げてきました。
今までいろんなお店でオフ会したけど こんなことは初めてでした。
幹事冥利に尽きます。
ほんとに素晴らしい一夜でした。 決して忘れることはないと思います。
こいつぁ初春から縁起がいいわい。
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