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今度の16日(土)のドラマ『永遠の泉』の原作は、連載時にいくつか読んだ。 著者は藤原新也。
彼の作品は随分と昔、何冊か読んでいた。『東京漂流』『全東洋街道』『乳の海』とかだ。 『東京漂流』では、80年代当時を、土地を人工物で覆い/行動は管理し/生物の野生が去勢されていく時代と書いていた。 川俣軍司の写真を覚えている。 荒ぶる野生を汚いものとして排除する時代の表出、として書いていた。
まさに、そのナマの生き物感が、当時の藤原新也の写真からは濃く匂っていた。 生き物の暖かく湿った空気が匂い立ちそうな写真に凄いなと思いつつ、異質なものと感じ距離をおいた。 異質感の発生元は世代と出身地の両方だろうなと感じた。
久しぶりに読んで、"枯れた"との印象を持つ。 川の流れに例えるのはべただけど。 世代だ文化だ環境だと色々違っても、結局ゆっくりと同じ海に流れ込むんだなぁ、って。 あ、枯れたのはお互いか。
辿り着く海は「出来るだけ(絶対はないから)盗まず殺さず、心穏やかに日々を送るには、どうしたらいいか」ということ。 自分が関わる森羅万象を、まるっと受け止めて慈しんで手放して見送るってことかなぁ。 が連載時のざっくりした感想。
寺尾聡が自身の代表作とまで言った作品を、楽しみに待つ。 山本さんの熊本弁が新鮮!
最後に。 通り魔で思い出した川俣軍司。 改めてぐぐって知った。「電波がきてる」はこの人だったのか。
そういえば、最近の通り魔は「電波がきてる」とも言わなくなった。 もう電波すらこないのか。それほど自然と離れたか。どれほど閉塞してんだか。
alain
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