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2012年05月10日(木)
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『平清盛』って日本の家電っぽいなと思う
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録画で先週の大河を見た。近衛帝崩御の回。 畳み掛ける"帝のご容態かんばしからず"が重低音リズムのような、時代の動きを感じさせる回でした。 面白かった。
清盛は"仲良うなっていただく!"と少年ジャンプのような宣言をする以外、目立った活躍もなかったが、 リーダーとしての格が出てきた。 マツケンは静かなで内側に奥行きがある役が似合う、と思う。
やっと、清盛が時勢の流れの端っこにではあるけれども、登場してもおかしくない地位に来て、 展開に無理がなくなってきたことも、面白かった一因かと思う。 (ってことは、これから案外面白いかも・・・)
要するに、今までの清盛はかやの外ではないにしても、流れの中心部ではない。 それを無理やり中心にもってこようとするから、場に合わない小汚い少年・青年がのこのこ出てきたり、 公式の場でやんごとなき方々が心情ぶちまけたり、武家のイチ小僧を皆して持ち上げたり、ホームドラマの回を作って連続ドラマをぶったぎってみたり・・・になっているのでは? いいじゃないか。時代を動かさなくても。傍観者の主人公で。もしくは、巻き込まれつつ、泳ぐ人で。 「宮中ではこうなっている、ら・し・い・ぞ。で、どーする?」ではいかんのか。
無理な主人公回と持ち上げのおかげで、時流の中心人物の思惑を描く時間がなく、 「なんで対立しているの?」「なんでここまでのし上がりたいの?」「どうしてそこまで嫌うの?」の後ろにある登場人物の思いが見えない。 話の底が浅い、薄っぺらい話になってるようにみえる。 ドラマのことばかり考えている作り手や、そもそもの背景を知ってる(もしくは収集している=私)人は、脳内で背景補完するからいいけど。 そんな暇人ばかりじゃねーよ。
過剰に機能が多くて使いにくい日本の家電を連想する。 誠意があるのはわかる。努力もしているだろう。が努力の方向が専門バカ。 微妙な高機能や付加価値じゃなくて、使い勝手が良くて、置いてかわいいのが欲しいんだ。
うちのBDPlayerは、ディスク取り出しにいちいち"HDDを起動しています"と言う。 起動しなくて良いから、トレイとっととあけろや、と思う。以前の(メーカーは同じ)はすぐ開いた。
再生に失敗しました。と言われることも数回あった。 前のDVDPlayerはそんなこと一回もなかった。 他の人に聞いても、前より使い勝手悪いーと言う。
多分、裏っかわでは複雑なプログラミングがあって、知れば知るほど、すっげーと思い、時間かかるのも無理ないよなと納得するのであろう。 が、そんなことは使い手には関係ない。 取り出しボタン押したら、トレイがさくっとひらき、再生と言ったら再生して欲しい。
清盛見ていると、そんな日本の家電を思い出す。 専門家ががんばりすぎて、使い手の気持ちから離れてる。 すっごく勿体ない。
キャスティングは大絶賛なんだけどな。 シーンシーンは良いんだけどね。 作り方全体が残念。 ごっしーのガラス細工のような危うさ、崇徳の怨念へびなわは毎度すごいね。 お経を読む頼長様の目が真っ赤。さすが細かい。
alain
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