陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2012年04月16日(月)      きぬた

 先月伊賀の土で焼いた砧花入れの箱が
 届き、今日箱書きをしました。過剰包装
 ともいえる陶器の箱は必要があるのかどう
 かはともかく、私はこの箱に字を書くのが
 大好きです。薄墨で作品の絵を漫画っぽく
 ササッと描き、濃い墨で作品名を書きます。
 この箱には蓋表に 『砧』 の文字を、裏に
 は日付を入れました。長年お世話になった
施設へのお礼としてお渡しする物なので、気持ちを込めた上
で遊び心一杯に書きました。

なんでも鑑定団の先生は箱が大事であると仰いますが、使う
上ではじゃまっけなものだとも思います。しかしそれは使うと
いう前提でのお話で、大事にしまっておくならばやっぱり箱に
入っているとよろしかろうと思います。陶器をはじめ工芸品は
使うほどに良くなるから、どんどん使って欲しいという作家が
多いです。確かに一理あることですが、私は使わずに大事に
するのも良いし、眺めて楽しむのも 『用』 のうちだと思ってい
ます。持ち主の色々な楽しみ方は、作者が注文をつけるのでは
なく使用者の好みで良いと思います。この花入れも、活けてい
ただいてもいいですし、大事にしまっておいて下さっても一向
にかまいません。ただ・・・先々に実力以上の価値が出るような
心配はありませんので、なんでも鑑定団には出品しないでいた
だきたいと存じます。

陶房かまなりやの桐箱は美萩工芸さんにお願いしています。

中身の画像はこちら




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