先月伊賀の土で焼いた砧花入れの箱が 届き、今日箱書きをしました。過剰包装 ともいえる陶器の箱は必要があるのかどう かはともかく、私はこの箱に字を書くのが 大好きです。薄墨で作品の絵を漫画っぽく ササッと描き、濃い墨で作品名を書きます。 この箱には蓋表に 『砧』 の文字を、裏に は日付を入れました。長年お世話になった 施設へのお礼としてお渡しする物なので、気持ちを込めた上 で遊び心一杯に書きました。
なんでも鑑定団の先生は箱が大事であると仰いますが、使う 上ではじゃまっけなものだとも思います。しかしそれは使うと いう前提でのお話で、大事にしまっておくならばやっぱり箱に 入っているとよろしかろうと思います。陶器をはじめ工芸品は 使うほどに良くなるから、どんどん使って欲しいという作家が 多いです。確かに一理あることですが、私は使わずに大事に するのも良いし、眺めて楽しむのも 『用』 のうちだと思ってい ます。持ち主の色々な楽しみ方は、作者が注文をつけるのでは なく使用者の好みで良いと思います。この花入れも、活けてい ただいてもいいですし、大事にしまっておいて下さっても一向 にかまいません。ただ・・・先々に実力以上の価値が出るような 心配はありませんので、なんでも鑑定団には出品しないでいた だきたいと存じます。
陶房かまなりやの桐箱は美萩工芸さんにお願いしています。
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