陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2011年01月11日(火)      陶器製兵器

オークションで、実に興味深い資料を買いました。
『日本の陶器製兵器・陶器製手榴弾』 という本です。
こういった本があること自体驚きですし、実際手に
とってみて、かなりきちんと研究編纂されている本で
あることに唸りつつ読みました。

 陶器製の手榴弾は、戦争末期に鉄材
 の不足から発案され、各地の窯業地
 で作られていたことは知っていました。
 この本によると主だった産地は、信楽、
 伊賀、京都、美濃、瀬戸、有田、備前、
 であるようです。各地で特色があり、
 きちんとその詳細が図版入りで網羅
 されています。陶磁器蒐集家として
は、兵器であるという点を熟慮しつつも、1つ欲しいもの
だと前々から思っていました。まだ実物は入手していま
せんが、詳しい資料が手に入ったことは重畳です。物が
物だけに心境は複雑ですが、陶磁器産業の一側面とし
て捉え、各地の弾体を集めたいものです。

実は、ちょうど有田製のものが別のオークションに出て
いたので入札しました。昨日めでたく落札し、明日には
手元に届きます。いわば負の遺産である兵器の脱け殻
ではありますが、しっかりと手にとって戦争と窯業に
ついて、真摯に哲学しようと思います。

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因みに、左上美濃製、左下備前製、右下信楽製です。





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