陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2010年03月17日(水)      はんでいし

横浜そごう美術館で開催中の 『川喜多半泥子のすべて』
を観てきました。素晴らしい展示でした。これだけの物が
一同に鑑賞できる展示会は中々無いのではと思います。

 銀行家であり、明治から昭和へかけての
 財界の重鎮といえる大人物である氏は、
 いかにも豪傑というに相応しい作風で
 茶道具を自作し、作品は闊達そのもの。
 特に陶器は玄人裸足の出来映えで、47
 歳から始めたというろくろは豪放でした。
 その生きざまといい、侘び数寄ぶりと
 いい、痛快至極!こんな生き方ができた
らなあと自分の小ささを見せられた気がしました。しかし
ながら、良く考えてみれば生きた時代も違えば、生まれ
育ちも大幅にかけ離れ、仕事や生活全般に関する哲学
に同調する部分はあっても、どうも次元の違う感受性だ
なと感じました。

氏の作品群はお蕎麦に例えると 『十割粗挽きそば』 と
いった風情です。野趣があり、香りも強く、歯ごたえもあっ
て一度味わったら忘れがたいものです。でも、毎日食べる
にはアクが強すぎます。所謂ハレのご馳走でしょう。私が
目指しているのは毎日でも食べたい 『二八の細挽きそば』
的作品です。この違いが小さな違和を感じた所以でしょう。
でも、あの 『禅味』 とでもいうアクには一寸憧れます。

奇しくも私は、氏がろくろを始めた47歳、まだ凝り固まる
には早いでしょう。作り手としてもさることながら、人として
半泥子をはじめ多くの先達の作品や生き様から美学を
学び、『味』 を出したいものだと思います。例えるなら
発酵した旨みといったような味がだせたら、本望です。

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そごう美術館




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