陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2009年11月12日(木)      INAX

常滑の話題が続きます。その昔常滑といえば即土管でした
が、今はやはりイナックスの伊奈製陶がその代表格でしょう。
 行って来ました。『INAXミュージアム』
 焼き物散歩道の南側、静かな住宅街に
 デンとそびえるレンガの煙突は土管工場
 の跡らしく、大きな窯の中は会議室ほ
 どの広さがありました。内壁は釉化し
 て、てらてらに光っていました。

 見所は沢山あるものの、やはり特筆す
 べきは染付古便器の展示です。窯のあ
 る広場・資料館2階の、窯を取り囲むよ
 うに作った展示場に絢爛たる古便器の
 数々が展示されています。ほとんどが
 個人のコレクションであるらしいですが、
綺麗に洗い清められたその便器は、染付けあり、青磁あり、
織部ありと、思わず唸らずにはいられない優美さでした。俗に
衛生陶器と呼ばれ、素晴らしい技術を投入して焼造される現代
の便器は堅牢で、衛生的で、中空で水まで流れ、更に色のバリ
エーションが豊富であるという非の打ち所の無い完成度です。
しかし陶芸作品として認められることは無く、只の道具として
しか見なされません。けれどもこのコレクションを見ると、明治
の職人さんの便器を蔑視しない気概を感じます。いっそ、涼や
かな風すら感じました。

じゃあ便器を作ってみるかいと言われたら、たぶん作らないと
は思いますが、仕事としては実に面白そうな分野であると思い
ます。衛生陶器市場ではTOTOに少々及ばないINAXですが
流石に常滑界隈のお便所は隅々までINAXでした。 お見事!

INAXライブミュージアム http://www.inax.co.jp/ilm/




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