常滑の話題が続きます。その昔常滑といえば即土管でした が、今はやはりイナックスの伊奈製陶がその代表格でしょう。
行って来ました。『INAXミュージアム』 焼き物散歩道の南側、静かな住宅街に デンとそびえるレンガの煙突は土管工場 の跡らしく、大きな窯の中は会議室ほ どの広さがありました。内壁は釉化し て、てらてらに光っていました。
見所は沢山あるものの、やはり特筆す べきは染付古便器の展示です。窯のあ る広場・資料館2階の、窯を取り囲むよ うに作った展示場に絢爛たる古便器の 数々が展示されています。ほとんどが 個人のコレクションであるらしいですが、 綺麗に洗い清められたその便器は、染付けあり、青磁あり、 織部ありと、思わず唸らずにはいられない優美さでした。俗に 衛生陶器と呼ばれ、素晴らしい技術を投入して焼造される現代 の便器は堅牢で、衛生的で、中空で水まで流れ、更に色のバリ エーションが豊富であるという非の打ち所の無い完成度です。 しかし陶芸作品として認められることは無く、只の道具として しか見なされません。けれどもこのコレクションを見ると、明治 の職人さんの便器を蔑視しない気概を感じます。いっそ、涼や かな風すら感じました。
じゃあ便器を作ってみるかいと言われたら、たぶん作らないと は思いますが、仕事としては実に面白そうな分野であると思い ます。衛生陶器市場ではTOTOに少々及ばないINAXですが 流石に常滑界隈のお便所は隅々までINAXでした。 お見事!
INAXライブミュージアム http://www.inax.co.jp/ilm/
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