先日の常滑行で一番手に入れたかったものが、『藻掛け』 の作品でした。備前の火襷をヒントに名工と謳われた2代 伊奈長三が考案したといわれる技巧ですが、伊勢湾の藻を 作品に掛けて焼く緋色は、備前のそれとはまた違った趣が あります。
画像は山七窯の渡辺亘康さんの煎 茶器です。ちょうど焼き物散歩道の ギャラリーいそむらさんでの作品展を 拝見し、お願いして茶舗を経営してい らっしゃるお店の作品も見せていただ き、更に奥様手ずから挽き茶を点てて くださり、厚かましくご馳走になってしまいました。代々七左衛 門を世襲するという陶家の四代目に当たられる当代の作家 さんは山田常山門下でいらっしゃるそうです。年若の私が言う のも僭越ですが、実直な轆轤仕事が好ましい作品です。藁と 違って釉化している部分が緑色になり、薄く掛かった藻の細い 部分が銅版画のような繊細な線を描いています。茶器では ありますが、私はお酒用にと求めてきました。
初めて訪れる土地でこういった気持ちの良い出会いがある と旅の楽しさが一段増します。横浜に戻ってからも好んで この器で晩酌しています。チビチビ呑りながら愛知常滑の あのやわらか〜いお国言葉を思い出して、旅の余韻を楽し んでいます。山七茶舗の奥様、すばらしいお服加減のお茶 ありがとうございました。またの機会にはぜひ寄らせてい ただきます。ご主人様にも何卒よろしくお伝え願います。
常滑焼 山七窯 http://www16.ocn.ne.jp/~yama7/
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