陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2009年11月11日(水)      もがけ

先日の常滑行で一番手に入れたかったものが、『藻掛け』
の作品でした。備前の火襷をヒントに名工と謳われた2代
伊奈長三が考案したといわれる技巧ですが、伊勢湾の藻を
作品に掛けて焼く緋色は、備前のそれとはまた違った趣が
あります。
 画像は山七窯の渡辺亘康さんの煎
 茶器です。ちょうど焼き物散歩道の
 ギャラリーいそむらさんでの作品展を
 拝見し、お願いして茶舗を経営してい
 らっしゃるお店の作品も見せていただ
 き、更に奥様手ずから挽き茶を点てて
くださり、厚かましくご馳走になってしまいました。代々七左衛
門を世襲するという陶家の四代目に当たられる当代の作家
さんは山田常山門下でいらっしゃるそうです。年若の私が言う
のも僭越ですが、実直な轆轤仕事が好ましい作品です。藁と
違って釉化している部分が緑色になり、薄く掛かった藻の細い
部分が銅版画のような繊細な線を描いています。茶器では
ありますが、私はお酒用にと求めてきました。

初めて訪れる土地でこういった気持ちの良い出会いがある
と旅の楽しさが一段増します。横浜に戻ってからも好んで
この器で晩酌しています。チビチビ呑りながら愛知常滑の
あのやわらか〜いお国言葉を思い出して、旅の余韻を楽し
んでいます。山七茶舗の奥様、すばらしいお服加減のお茶
ありがとうございました。またの機会にはぜひ寄らせてい
ただきます。ご主人様にも何卒よろしくお伝え願います。

常滑焼 山七窯 http://www16.ocn.ne.jp/~yama7/




 < 過 去  目 次  未 来 >


陶 房 日 報