陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2009年04月10日(金)      やちむん

見てきました。 『読谷』 と 『壷屋』 沖縄の青い空に
赤い屋根が並ぶ現代の工房村 『よみたん』 と、ガジュマルの
ようにがっしりと那覇に根を生やした伝統の窯業地 『つぼや』 は、
時代の流れとともにその存在価値を変化させざるを得なくなった
沖縄の陶工たちの今昔を如実に物語っておりました。

 県中部、米空軍嘉手納基地にほど近い
 読谷村はいかにも山村の趣で、その中に
 ある 『やちむんの里』 に点々と建てら
 れた工房がゆとりを持って配置され、若い
 陶工たちが一生懸命がんばっているという 
 印象を受けました。
 一方那覇市の壷屋はうちなんちゅの台所、
 市場本通りからひとすじ入ったところに
 寄り添うようにありました。薪窯の煙こそ
 立ち上ってはいないものの、工房と販売
 店が軒を並べ、地に足の付いた仕事をし
 ているなあといった印象でした。

赤ーい土、青ーい海と空、白ーい漆喰、こういった色を毎日見て
過ごしている人たちの陶器が畢竟明るい色使いになるのも得心の
いくところ。どこまでも伸びやかにおおらかに作られた焼物たち
は見方によれば少々無骨で手取りの重たい什器ですが、きっと
「なんくるないさー」 という寛容さで愛されているのでしょう。
帰りがけに寄った公設市場にはやっぱり!あおあかきーのお魚
たちがならんでおりました。ぐるくん、みーばい、あおぶだい、
のこぎりがざみ、どれもきちんと焼物(やちむん)色でした。




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