陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2008年04月23日(水)      清明師

作陶家の大先達、辻清明先生がお亡くなりになりました。
肝臓がんだったそうです。81歳という年齢は、現代では早いと
感じますが晩年糖尿を病み、好きなお酒も断ってらっしゃった
と聞きますから、大往生といっても叱られないでしょう。

 縁あって、清明先生の姪御さんにあたる
 方と懇意にさせていただいており、機会
 があったら一緒におじの所へ行きましょう
 とお会いするたびにお申し出をいただきな
 がら、どうも畏れ多い気がして辞退してい
 ました。もうお目にかかることは叶わなく
 なってしまいましたが、ご逝去とあっては
 いかんともしがたく、ご好意に甘えて一度
多摩の工房へお邪魔させていただけばよかったかなあと、少々
の悔いが残ります。ろくろを覚えたてのころ、丁度NHKの番組
で辻ご夫妻が講師の 『やきものを楽しむ』 があり、清明師の
ろくろ挽きをビデオに撮って、何度も何度もすりきれるほど
見たのを思い出します。左利きの清明師がろくろボセを使って
ぐいぐいまわす手廻しろくろのその剛柔調和のとれた挽き回し
はまさに至芸でありました。

骨董に通じ、茶を物し、書を能くし、侘びを体現した昭和の
陶人は、お若い頃は随分と傾いた奇行も多かったと聞きます
が、既存の団体に属さず在野で通したその意気は潔く、我々
個人作家のお手本とすべき人であると思います。

僭越ながら、心よりご冥福をお祈り申し上げます。




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