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我が家のベランダではもう軽く10年ものと思われるペチュニアが大繁殖している。だいたい群れて咲く花があまり好きではないし色もなんだか毒々しいので避けて通っていたのだが、30センチの視線でよく見れば何かのおまじないのように枯れて乾いた枝が土に刺さっているだけの鉢がある。女主人は近頃目が弱くなったのにメガネを頑なに拒むのでこのまま放っておけばいつまでも気づかれない可能性のほうが高い。なに、こんな枯れ枝くらい、ちょっと掘って引っ張れば抜けるだろう、と小さな頭で考えたのがそもそもの間違いであった。 土は固く、根は深く。掘ればミミズがのたうちまわり。 ぎゃあと叫んで腰を抜かせば傍らで同輩たちが丸くなったり伸びたりして眠っていた。どうやら何も気にしないのが彼らの流儀であるらしい。枯れ枝を抜き取り、土をならして、「The Beekeeper Mix」をようやっと蒔き、いったい何が芽吹いてくるのかしら、この種死んでなければいいけど、などと考えたりするのはまだまだ半人前の証拠である。 |