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2006年02月12日(日)   喪う

東に向かって新幹線に乗るときはいつだって、センセイに会いに行くときで、今にも心臓が喉元からせり出してきそうな、そんな気分でしか、あの駅を通り過ぎたことはなかったのに。

待っていたのは残酷な光景だけだった。葬儀屋が告げる、享年31歳、と。坊主がヘタクソな読経をあげる。なのに最後まで、死因だけは告げられない。

半開きになった唇、ひび割れた唇、あの独特のアクセントで、たくさんの優しい言葉を放ってくれたはずの唇と、おそらくはもう雪よりも冷たいであろうむき出しの足を、私は忘れないだろう。忘れることが、できないだろう。

・・・「彼」が「私」であったなら。

かつて私は、幾度も幾度も、それを願った。

頭をたれる黒装束の人の群れ、そのときにこそ貴方は、私を想うでしょう、私の想いを知るでしょう、私という名の十字架を背負うでしょう・・・

あまりにも、残酷な、願いだった、あまりにも、あまりにも、「彼」は残酷で、哀しかった。

次に東へ向かうとき、その次に東へ向かうとき、その次も、その次も、これから先ずっと、私が東へ向かうとき、私は今日を思いだす。


nadja. |mailblog