月に舞う桜

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2018年05月07日(月) 【5/5】Toshl DINE & CONCERT 2018 昼の部 ��

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�△呂海舛�

ここで小瀧さんがいったん退場して、Toshlがピアノを弾きながら『雨音』を歌った。
この曲は、ライブで聴くたびに感じることが違う。
2010年2月、初めて生で聴いたときは、Toshlが感じていたであろう痛みや苦しみを想って、胸がつぶれそうだった。
それから数年が経って、Toshlが精神的に安定、充実してきてからは、悲しいだけじゃなくなった。悲しいこと、つらいこと、苦しいことがあって、でも今こうして歌ってくれてることが本当に嬉しいしありがたいし幸せだ、と思った。もう大丈夫、悲しい思いはしなくていいよ、とも。その頃は、この曲をライブの最後に歌うことが多かった。精神的に本当の意味で復活してからも、この歌を忘れず、ずっと大切にしていきたい曲なのだろうと思いながら、しんみり聴いていた。
そして、今回。
今回は、ライブの最後ではなく前半に歌った。セットリストのどこに『雨音』を入れるかというのは、Toshlにとって結構重要な意味を持っているのではないだろうか。曲順の変化は、Toshlの心の変化そのものであるように感じた。
この曲をこれからも大切に歌っていくけれど、歌詞に込められた悲しみや痛みは過去のもの。『雨音』のあともセットリストが続いていくように、Toshlの人生にも『雨音』の先……幸せがあった。
私は、曲順の変化を勝手にそう解釈した。
Toshlがこの曲を歌いながら悲しいことやつらいことを思い出さなければいいな、とも願った。Toshlは、いろいろなことを忘れないためにも、自分の心を整理するためにも、この曲を大切に歌っているのかもしれない。でも、やっぱり、思い出さなければいいな、と願わずにはいられなかった。
この曲だけは、小瀧さんにも弾かせない。いつも必ずToshlが自分でピアノを弾いて歌う。そういうところも、『雨音』がToshlにとって特別な曲なのだろうと感じるゆえん。

『雨音』が終わると、小瀧さんが再び登場した。
オールナイトニッポンの話。良かったよね。でも、3ヶ月間だったから良かったと思う。ずっと続いてたら、しんどくなる……そんな感じの話。

Toshl「オールナイトニッポンにゲストで出ていただいた方たちと、そのあとも交流があって、お友達になっていただいて。僕、友達が少ないもんですから」

友達が少ないってのは別に悪いことではないと思うんだけど、Toshlが言うと何ともリアクションしづらいというか。そう言えばTUBEの前田さんとかアルフィーの坂崎さんとか、今はもう交流がないのかなあ。あと、葉加瀬太郎さんとか。葉加瀬さんとは、時期が悪かっただけで、コラボ自体はとっても良かったから、また何か一緒にやってほしいんだけどなあ。

Toshl「次の曲はカバーなんですが、僕が子どもの頃、それこそオールナイトニッポンを聴いていた頃、ちょうどこの曲もよく聴いていました」

そう言って紹介したのは、クイーンの『Bohemian Rhapsody』だった。Toshlの歌で聴くの、私は初めてだ。もちろんフルコーラスではなく、バラードの部分だけを披露。

こんなこと言ってはToshlに悪いかもしれないけれど、この曲はToshlが歌うとか誰が歌うとかってことより、とにかく曲そのものに圧倒される。
以前勤めていた会社に、デーモン閣下のファンがいた。デーモン閣下がこの曲を歌っているのがすごくいいと勧められて、You Tubeで観た。『Bohemian Rhapsody』という曲の存在は以前から知っていたものの、実は、ちゃんと聴いたのはそれが初めてだった。デーモン閣下の歌は本当にうまくて素晴らしかったけれど、私は歌唱力より曲自身が持つ力に度肝を抜かれた。ドラマチックで叙情的で、まるで一本の映画をぎゅっと凝縮して見せられているような重量感。悲しく、美しい。

Toshlが歌う『Bohemian Rhapsody』は、切なく、それでいて力強かった。感情豊かに伸びていく高音に、胸が締め付けられる。Toshlは、どんな歌も、自分のものにする。

Toshl「英語の歌を歌うと、コーチェラを思い出します。X JAPANとしてコーチェラに行ってきて……一週目はYou Tubeでも流れたから、観た人もいると思うけど」

ごめん、観てないわあ。配信されるのは知っていたけど、観てないわあ。

Toshl「海外のメディアも『Toshlの歌がすごい』と書いてくれまして。自慢じゃないんですよ? ただ、事実を言ったまでです。自慢じゃないですからね」

ここでも「事実」を強調するToshlくん。いいなー、ほんとに嬉しそう。たしかに事実だろうけど、自慢でもいいんだよ! Toshlの自慢を聞くの好きだから、どんどん自慢しちゃえ!

Toshl「どんなふうにすごかったの、小瀧くん?」

小瀧「そうですね。僕もコーチェラでずっとご一緒させていただいて、ライブのときは写真を撮らせていただいたんですけど、お客さんの盛り上がりがほんとにすごくて。曲が終わるとお客さんが、わーってなることはよくあると思うんですけど、みなさんToshlさんの歌声にどんどん盛り上がっていって、曲の途中でも熱気がすごくて……」

私が覚えている限りでは、小瀧さん、たしかこんな感じのことを言っていた。CUTTさんがいない中、Toshlの急な振りにもちゃんと答えてくれる小瀧さんであった。実際は、たしか2回振られて話してくれた。そして、小瀧さんの言葉を聞いて得意げなToshlくん(笑)。

Toshl「あのときはいろいろハプニングがあって、本当に大変でしたけれども。ステージ終わって帰るときも、ずっと砂漠を歩かなきゃいけなくて。時間的にちょうどビヨンセ帰りのお客さんたちに混じって歩くことになって。周りがみんな『ビヨンセすごかったな!』って言ってるから、何かこっちも合わせて『そうだよな!』って言いながら」

そう言えば、2年くらい前は移動のとき車椅子を使っていたけど、いつからか自分で歩くようになったよね。今回だって、広い会場内を隅々まで歩いて回ってくれたし。足と腰はもう完全に治ったのかな。良かった。
それにしても、渾身のステージを終えたあとに砂漠を歩かなきゃいけないって、そりゃあ大変なハプニングだわ。車が来なかったらしい。
コーチェラはToshlにとってとてもいい経験になったようだし、一週目より二週目のほうが声が出て、Toshl自身も満足のいく歌が歌えたようだし、Toshlが良かったなと思えるのが、私は一番良かったなって思う。せっかくなら、二週目をYou Tubeで流してほしかったみたい。

『Unfinished』は、何もかもが美しい。歌も、メロディーも、詩も、そしてピアノも。
そう、この曲はピアノの音が本当に美しくて聞き惚れる。Toshlの生歌は音源よりもはるかに厚く深く、感情豊かで、心のすべてで浸りきることができるのだけれど、それでも、この曲は歌ではなくピアノが主役と言っても過言ではないとさえ思える。
うっとりと聴きながら、YOSHIKIとは弾き方が何となく違うなと感じた。ピアニストによって弾き方は違うのは当然だ。具体的にどこがどうとは言えないし、どちらが良いというのでもない。ただ、小瀧さんが『Unfinished』をきちんと自分のものにして弾いてくれている感じが好ましかった。小瀧さんのピアノ、もっともっと聴いていたい。


(続く)


桜井弓月 |Twitter|Facebook


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