↔G*R menu


考察と設定その三(2)

 �� 『崩玉』隠蔽について1
[考察]
 まず、隠蔽するための手段を考えたいと思います。

 浦原さんが最初に選択した手段は、
『人の魂魄に埋め込んで隠す』
でした。これは、崩玉を通常の方法では確認できないようにすること(事実、ルキアの中にそんな異物があるとは誰も、本人でさえも気付かなかった)、そして簡単には奪われないすることを目的としていると思います。これが、
「魂魄への異物質埋没方」
でした。
 藍染様の語りから察するに、これは浦原さんがきちんと公に発表した研究だと思われます。この研究が崩玉作成より前か後かは不明ですが。藍染様はこの研究を知っていて、だから崩玉の隠し場所として最も有力なのは「人の魂魄」があると察したのだと思います。
 ただ、埋没させた異物質を取り出す方法が、藍染様が語られた二つしかありません。片方は大仰な処刑を必要とし、もう片方も大霊書回廊にまで探しに行かなければならないほど知られていないことを考えると、この研究は「崩玉を隠す」ために浦原さんが開発したものかもしれません。
 この研究が、体に爆弾を仕込むとかそういうことに利用されていそうで、そうだとしたらものすごく嫌な話になりますけどね。

 次に浦原さんが選択した手段は、
『大勢の魂魄に紛れ込ませて崩玉の行方を追跡させない』
でした。それが「霊子を含まない霊子体の開発・それを使用した、死神の霊力を分解し続ける義骸の作成」です。
 おそらく最初は、魂魄に隠しておいて、その間に破壊する方法を探し続けていたと思います。壊してしまうことが最も確実で安全ですから。しかし、それが見つからなかったのでしょう。浦原さんは更に安全に隠すことを考えたと思います。そしてこの研究をしたのではないでしょうか。
 これよって追放されたことを考えると、これはおそらく浦原さんの尸魂界での最後の研究でしょう。このせいで浦原さんは尸魂界から追放されるわけですが、崩玉を隠した魂魄を死神から人間のものにする義骸なので、現世に追放されること自体は想定内だったのかもしれません。
 ……まあ、こうつらつらと考えているわけですが。
 魂魄に埋め込まれた崩玉は、魂魄が輪廻しまくっていてもそのまま中に保存されるのかどうかについては全く書かれていないんですよね。でも保存されないと話にならないので、そんなもんなんだろうと考えています。

[設定]
 浦原は崩玉を隠す手段として、最も安全と思われる「魂魄に埋め込む」方法をとった。しかし崩玉の破壊方法は判らないまま時は過ぎ、浦原は更に安全を確保する為に、崩玉の行方をくらませることにした。これらを実行する為に二つの研究がなされている。


 �� 『崩玉』隠蔽について2
[考察]
 で、隠蔽する魂魄を選ぶわけですが、その選び方です。

 はっきり言って、浦原さんは、自分か夜一さんに埋め込んだ方が安全だったとは思います。お二人とも強いし、崩玉がなんたるかを知っているし、それを悪用して天に立とうとか考えないので。
 では、なにゆえにそうしなかったのか、と一生懸命に無理に根性と気合いで考える必要があります。
 最初に、浦原さんとその周辺の人物は、崩玉の隠し場所として真っ先に疑われるのです。つまり、常に狙われ続けるということですし、「こいつの魂魄の中にある」と思われたら無実の罪で極刑をくらって処刑されたりするかもしれません。
 ですから、浦原さんおよび彼の周辺の人物には崩玉を隠すことはあまり得策ではないように思われます。
 次に、魂魄に埋め込んだだけでは、崩玉の行方はくらませられても崩玉そのものを破壊・消滅させることにはなりません。つまり、崩玉は存在し続けるし、何かの拍子に発見される可能性は0ではありません。ですから浦原さんは(責任を感じているならば)何が何でも崩玉を破壊する方法を探し出して、完全に破壊しなければならないのです。
 そしてそれには死神の力が不可欠だとしたら。
 浦原さんはどうしても死神でいなければならないのです。
 ですから、自分の魂魄に埋め込むことはできないと考えられます。
 ……まあ、こう頑張って考えていても、身近な人に埋め込んでしまってさくっと殺してさくっと現世に生まれ変わってもらえば安全だよなあ、とは思うのですが。それが出来ない程度には非情ではなかったのでしょう。
 また、崩玉の行方を把握しておきたかったかもしれません。最終目的が崩玉の破壊だとすると、浦原さんだけは崩玉が誰の中にあるのかを把握していないと大変ですから。

 とつらつら考えますと。
 埋め込む魂魄は「浦原さんと無関係の人」となります。

 では、その無関係の人を選ぶ条件を考えます。
  一 物(崩玉)を埋め込まれたことを自覚できない人
  二 周囲がそのことに気付かないでいられる環境の人
まず一つ目。
 たとえば大人を攫ってきて、崩玉を埋め込むとします。そうすると薬で気絶させていたとか催眠術とかしない限り、その人は「何かされた」ことを知っていることになります。たとえ「崩玉が埋まっている」そのことを知らなくても、浦原さんとしてはなるべく危険を避けたいと思うはずです。
 ならば、色々と複雑なことをしなくても済む、赤ん坊に埋めてしまうのが手っ取り早いと思います。赤ん坊なら、記憶には残らないのですから。
 よって、条件として、まず赤ん坊であることが考えられます。無理矢理っぽいですが。

 そして二つ目です。
 浦原さんと無関係の赤ん坊に埋め込むのですから、まあ、言葉は悪いのですが、どこかからかっさらってこなければなりません。そのとき、「あかちゃんがさらわれた!」と騒ぎになってはいけません。それから、隊長格の浦原さんが現世に行ったりしても目立つでしょう。そうすると、尸魂界で、かつ絶対に騒ぎにならない、なりようがない場所でさらう必要があります。
 よって、条件としては、人がいなくなろうが誰もが無関心の場所(つまり流魂街で番号の大きい地区)が最適だと考えられます。根性ですけど。

 ……この辺りで、「あとは条件にあう人を探していたら偶然そこにルキアが捨てられていたからラッキーと思ってさらってきた」とでも考えられます。考えられますが、ちょっとそれだと面白みが足りません。世界を壊す可能性を秘めているものを隠すのですから。

 なので次に気合いで、条件その三を考えましょう。
 昔のことですし、赤ん坊でお亡くなりになってしまった人はそれなりの数でいたことと思います。そこでなぜ、ルキアが選ばれたのか。
 霊力の有無ではないでしょうか。
 崩玉という、何らかの力を内に秘めた物質を埋め込まれるのですから、魂魄そのものに力がなくては耐えきれないのかもしれません。ていうか、それくらいのことをしてくれないと、崩玉ってすげえんだぜ、ということが伝わりません。
 そんなこんなで、条件として、霊力を持った魂魄である、ということが考えられます。

 以上、条件が三つ出てきました。
 赤ん坊であること、番号の大きい地区であること、霊力があること。
 ここまで揃えれば該当する人はかなり少なくなると思われます。そして時期が重なって、ちょうどよくルキアが選ばれたのでしょう……となります。

[設定]
 浦原は崩玉を隠す魂魄を選ぶ条件として、赤ん坊であること、番号の大きい地区であること、霊力があること、という三つを決めていた。丁度その頃、戌吊にルキアが送られる。浦原はルキアを観察し、緋真に捨てられたそのときを狙って攫い、すぐにその魂魄に崩玉を埋め込んだ。
 それはルキアが赤ん坊の頃であるため。おそらく百五、六十年前。
 そして浦原は追放されるまでの五、六十年の間、懸命に破壊の方法と、それが見つけられなかった場合の、崩玉を行方不明にさせる方法を探していた。


 �� その後の崩玉の行方、浦原と藍染について
[考察]
→崩玉の、つまりは埋め込まれたルキアのその後
 で、崩玉をルキアに埋め込んだわけですが。
 当然、手元にルキアを置いていたら怪しまれます。ルキアが送られた地区と異なる場所にいても、怪しまれるかもしれません。怪しまれる材料は少しでも減らした方がいいのです。
 そうしたら、まあ元の地区に戻しますよね。
 また、浦原さんは最終的にはルキアから崩玉を取り出して破壊するつもりでしょうから、ルキアのことは自分の管理下に置いておきたいと思うでしょう。それにルキアは赤ん坊です。簡単に死んでしまうかもしれません。死んでしまったら、魂魄の行方はくらませられますが、自分もわからなくなってしまいます。それはちょっと困ります。
 ですから、ルキアには養育者をつけたのではないでしょうか。もちろん、ルキアの中に崩玉なんて物騒なものがあるとは知らない人物です。
 理由を何も聞くこともなく、どこの誰とも知らない赤ん坊を引き受けて、かつ戌吊なんていう危険な地区に暮らすことを承諾し、かつ暮らすことの出来る実力があり、しかも周囲には全く認識されない、浦原さん(と夜一さん)に信頼される人。
 誰だよ。
 と、言ってしまうと話が進まないので考えます。
 ここで注目すべきは、浦原さんと夜一さんの頼みなら何も聞かずとも引き受けてくれるような人物だということです。そこで、夜一さんの身分が大事になってきます(浦原さんは不明)。
 彼女は四大貴族の一つの家に生まれ、しかも当主です。四大貴族というからには使用人も星の数ほど(とは言い過ぎですが)いるでしょうし、その実態は外部からは窺いにくいかと思います。
 また、夜一さんのキャラクターを考えると、身分などには拘りそうにはありません(ないがしろにもしなさそうですが)。使用人には好かれそうだな、と素直に思います。中には猫可愛がりする人もいるかもしれませんし、夜一さんの信頼を一身に受ける者がいてもおかしくありません。また、四大貴族に仕えるのですから、実力もあるでしょう。お嬢様をお守りしなければならないのですから。
 こう考えていくと、シホウイン家の使用人だと非常に都合よく条件に当てはまります。
 加えて、使用人がルキアの養育者とすると、ルキアの気品や言葉遣いにも説明がつけられるので更に都合良いのです。
 と、ご都合主義で突き詰めますと。
 ルキアは崩玉を埋め込まれた後、すぐにシホウイン家の使用人と共に戌吊に戻り、浦原や夜一のことは全く知らず、何も聞かされずにそこで育った。その後、養育者が死亡などで消えたため、一人になり、やがて恋次達と出会った……と考えられます。

→浦原さんのその後
 そんなルキアを流魂街に放置したまま現世に追放されてしまった浦原さんですが。
 一応、現世に連れて行くつもりだったのではないかと思います。あんな義骸を開発してしまっているくらいですし。もしかすると、ルキアから崩玉を摘出して、それを(自分は無理でしょうから)夜一さんやテッサイさんに埋め込み、人間にしてしまうことも考えていたかもしれません(※ルキアは当時、死神ではないので、わざわざ死神の霊力を分解する義骸を造る必要がないのです)。
 まあそれもこれも、全てできなかった、というわけでしょう。
 あんな義骸を開発したのですから、罪に問われることくらいは判っていたことと思います。崩玉を魂魄に紛れ込ませてしまう予定でしたから、どうせ現世に逃げるつもりだったとも、思います。
 しかし、義骸の開発が明るみになってからの行政?司法?側の対応が想像を超えて早かったのではないでしょうか。そのため、どこの誰とも知れない少女を連れて行くとか何らかの施術っぽいことをしているとかいった、いわゆる目立つ行動をとれなかった。その暇もなかったかもしれません。捕まってしまえば罪を問われます。処刑なんてことまでは(希有なほどの優秀さでしょうから)ないかもしれませんが、崩玉のことを考えると、捕まってなぞいられないでしょう。現世まで逃げれば殺されはしない、「追放」という形になるだろうと予想していたのではないでしょうか。尸魂界には戻れなくなるでしょうけれど。
 また、夜一さんは浦原さんと違い、尸魂界には入れていましたよね。やはり罪状が異なるからでしょうか。もちろん、入る為には派手な侵入をする必要があるようなので、現世と尸魂界を行き来するなんてことは出来なかったと思いますが。
 そしてまあ、「浦原商店」が開店されるわけですが。
 どう考えても尸魂界とつながりのある浦原商店。追放され、戻れないとはいっても、浦原さんの能力がまだ必要とされているのでしょうか。それとも、監視の意味を込めて繋がっているのでしょうか。その辺は不明ですが、監視されているのかなーとぼんやり思っています。されるよなあ、追放されたとはいえ、相当の能力者なんだし。
 浦原の処分を追放にとどめ、商店を開かせることにして監視することを提案したのは藍染様だと楽しいです。

→藍染様のその後
 崩玉の破壊(嘘)を告げられた後、しばらくは「絶対にどこかに隠したはず」と考えて、探していたと思います。探すって。簡単に諦めないって、あの人は。
 隠蔽方法は結構すぐに気付いたのではないかと思います。そして最初に疑ったのはやはり、浦原・夜一・テッサイ辺りではないでしょうか。でもすぐに気付くでしょうし、疑いの目は彼らの周辺の人物・彼らの訪れた場所の者に向けられたことと思います。
 同時に、自分でも一生懸命に研究したことと思います。その辺は努力して。
 ですがとにかく、全てを「猫かぶり」の状態で行わなければならないため、相当時間がかかるし、面倒だったことと思います。

[設定]
 崩玉を埋め込んだ後、浦原はルキアに養育者を付けて戌吊へと戻した。そして研究を続ける。ルキアは何も知らずに養育者に育てられ、成長する。藍染は浦原とその周囲の人物を疑いつつ、自らも研究を進めていた。


 �� 仮面の軍勢について
[考察]
 この辺はもう妄想でしかないのですが。
 黒崎パパンの「仮面の皆様は禁術を行って云々の目的不明の元死神集団(意訳)」ということから(188話)、とりあえず以前は死神だったのだろうということは確かだと思います。
 また、217話の平子のセリフから、藍染様や崩玉の事情について詳しいことも確かです。尸魂界か浦原さんあたりと通じていないと知らない事も知っていることから、どこかに協力者がいるだろうとも思われます。
 そしてひよ里の「人間も、死神も嫌い」(意訳)という言葉から、どちらにも恨みっつうかまあワダカマリ? があるようです。
 それらから妄想すると。
 仮面の軍勢の最初は、「死神の虚化」の研究において実験体にされた死神の集団だったのではないでしょうか。実験体が放置され、自力で生き残り、同志を集めた。その後はもしかすると尸魂界にいられなくなった死神を集団に取り込んでいったのかもしれません。そして『禁術』を行い、耐え抜いた者達が、彼ら。
 そうであれば、そりゃあ死神のことは嫌いでしょう。人間を嫌いである理由はわかりませんが。

 藍染様だったら、実験をしているときに「君らも、自分がこんなことになった理由を知りたいだろう。そろそろ意識が途切れてきたかな。ならば教えておいてあげようか」などと言ってぺらぺらと語りそうです。ほら、普段隠しているから、喋りたくて仕方ないんじゃないかなーと。

 まあ、藍染様は「死神の虚化」についてはあまり着目していなかったようですけどね。





前 ◄ 目次 ► 次
  G*R menu ↔ novel ↔ short story ↔ consideration
Life is but an empty dream