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■ まぁだだよ。【ガウリナ】
すっごいゆっるい逃げリナ追いガウ。 ゼルリナサイド。
written by みなみ
アウトドアな仲間2人が街に買出しに出掛けたのは、インドアな2人が魔道書に夢中になって部屋から出ようとしなかったからだ。 自分の分担を読み終えたリナは、ゼルガディスの肩に顎を乗せてまだかまだかと彼を急かした。腹辺りに腕を回してべったり張り付くと、さすがにゼルガディスの集中力も切れてくる。 「おまえ、そういうことは旦那にしろよ」 「あんただからできるんじゃない」 「ほぉ、それはつまり多少は意識してるってことか?」 「あんたを? ガウリイを?」 「とぼけやがって」 薄い笑みに共犯者めいた笑いを返す。 すっかり集中の途切れてしまったゼルガディスは伸びをして、猫の子を引き剥がすように無造作に、リナの腕を引っ張った。リナは気にするでもなくゼルガディスから離れ、代わりに背を向けてもたれかかる。同じ力で背を預けたゼルガディスと2人、ベッドの上であくびなんてしたりして。まるで屋根の上の野良猫二匹。誰にも飼われたくないみたいな顔をしていた。 「あとちょっと、あとちょっとだけだから。」 笑いを含んだような、切羽詰ったような穏やかな、不思議な声でリナは言った。 ゼルガディスはそんな思春期の女の子の機微を汲む気はなくて、ただこの時間が気持ちよくて、それだけでリナと同じ気持ちになった。もう少しだけ、このまま。 「まぁ、甘やかす方が悪いさ」 思わずうたた寝しそうな穏やかな午後、どたどたと元気な足音がふたつ。 部屋の前で立ち止まり、焼きたてのパンの匂いをさせながらノックをひとつ。 「おーい、開けるぞー?」 部屋の中、2人は声をひそめて笑った。 「リナー?」 返らない答えにのんびりとした声がまた呼びかけて、リナは微笑みながら、ゆっくり目を閉じる。
――まぁだだよ。
2006年01月31日(火)
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