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■ 明日に向かって撃て【アメリナ】
唐突な軍人設定です。姫の壊れっぷりはパラレルに免じて許してあげてください。 タイトルにまったく意味はないです^^
written by みなみ
「咥えてよ」 銃の分解を終えたばかりのアメリアが、立ち上がるなりそう言った。 足を投げ出して座ったリナはアメリアを見上げるが、彼女に気の変わる素振りはなくて、銃口が静かにリナを見返した。 分解途中の銃をそばにおき、リナが膝立ちになる。スプリングが落ちて高い音がした。 「目は閉じて」 従順に瞼を下ろし、目前に降ろされた銃口を咥える。 先端を口に含めば喉の奥まで突き入れられて、自然に顔が歪む。アメリアの笑った声がした。 セイフティレバーの外れる音。くぐもった息の漏れる口内でかちりと響く。 引き金は引かれない。そんなことは分かっている。 けれど染み付いた硝煙の匂いが鼻腔を直接刺激する。喉に押し付けられる圧迫感とそれで、吐き気が込み上げた。 苦しげな呼吸の合間にリナが目を開けると、やさしく微笑むアメリアと目が合った。 歯を痛めないようにそっと、銃口が薄い唇の間から引き抜かれ、咳き込むリナのそばに屈みこむ。 「ごめんね」 かわいらしい声で背中をさするアメリアを涙の滲んだ目でちらりと見上げると、ひどく無邪気な顔をしていた。 リナは脱力して、頬にまで伸ばされた手を軽く払う。 「メンテの度に変な気起こさないでよ」 アメリアは気にせずまた頬に手を伸ばし、耳に額にキスをした。 「だって、」 リナはもう為されるがまま、アメリアの愛撫に身を任す。腕が回され小さくて頑丈な檻を連想させた。 「リナってなんか、ときどき壊したくなるんだもの」 バラバラになったまま転がった銃のわき、同じ冷たい床に背中を貼り付けて、リナはじっと、恐怖も麻痺した脳で、アメリアの愛を処理していた。
性格上戦場とか向かないアメリアは、どこかちょっと歪んでしまって、愛憎と生き死にを色々混濁させてしまう。 リナはそんなアメリアを見守りながら、歪な愛を黙って受け止める。 そんなイメージ。退廃的恋愛ってもえる。
2006年01月22日(日)
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