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■ かなわないひと【シルリナ】
うちの話では、どうやら基本的に4人(+1匹)+シルorフィリが居るのが標準のようです^^
written by みなみ
「リナって、絶対マゾでしょ」
ばっふーーーー!!!!
正面に座っていたガウリイの顔面に紅茶をぶちまけリナが驚愕を表現するが、アメリアはお構いなしに隣に座るシルフィールに同意を求めた。 「そう思いません?」 「あ、ちょっと分かります」 「いや、分かんないでよ。てゆーか分かんない。そして違う。そもそもなんでいきなりそーゆー話なわけ?」 精一杯平常心を保ちながら、リナは台無しになった食後の一杯を憎憎しげに見遣り、それからアメリアを見た。 視界の隅で、触らぬ神にたたりなしと言わんばかりに寡黙に、ガウリイが紅茶まみれになった自分の顔を拭いている。 「だって、あなたの日頃の戦い方を見てるとそう思うんだもの。痛いのは嫌いって言う癖に、怪我なんてお構いなしで突っ込んでいくでしょう?そういう性癖だと思われても仕方ないわ」 「仕方無いんかい。ていうか、嫌だからって避けられない場合もあるでしょーが。あたしの身の回りでは、たまたまそういう状況が立て続けに起こるって、それだけよ」 気を回したゼルガディスが呼びつけたウエイターが、紅茶の代わりをリナの前に差し出した。弁明を終えたリナが、おかしな会話はここまでとばかりに機嫌よく紅茶に手を伸ばす。 「では、」 「まだあるの?」 よどみなく続いたシルフィールに、リナが眉間を寄せて手を止めた。 「私たちが居るから、安心して無茶な戦い方をする、と言う節はありませんか?」 「……は?」 無いと言い切れますか?と、シルフィールが畳み掛ける。 「リザレクションを使える私たちがパーティーに加わる前は、今よりはもう少し慎重に戦っていたんじゃないですか?そうでなければ、私たちに会う前には死んでいるか、それでなくとも重大な欠損があったのではと思います」 責めるでもなく淡々と言うシルフィールに、リナはぐうの音も出ない。 確かにそういう部分は無きにしもあらずと言えるだろう。 人の手を止めておいて、自分は優雅な仕草で紅茶を口に運ぶシルフィールを睨みつけながら、リナは無難な言葉を探した。 アメリアとシルフィールは、白魔法使いとして非常に優秀だ。足や腕の一本くらいなら、使い物にならなくしたところですぐに治してもらえる。 だとすれば痛みは一瞬。ついつい肉を切らせて骨を絶つような戦術を咄嗟に組み込んでしまう。 だがそれは考えてみれば当然じゃないだろうか? 優秀な剣士2人の力をあてにして作戦を組むように、優秀な援護を信頼して作戦を組むと言うのは、どちらも同じことのはず。 そんな言い訳を頭の中で組み立てているうちに。 「責めてるわけじゃないんです。この力を必要とし、頭の中に根付く反射のように、私たちが居るから大丈夫だ、と思ってくれているなら、」 カップをソーサーに戻し、シルフィールが微笑んだ。 「こんなに嬉しいことはありません」 リナは息が止まるほどに見惚れてしまって、言い訳も反論も肯定もできなかった。 「だからって毎日毎日いい加減にしなさいと思わないことがないわけでもないですけど」 百合のようにきれいに笑う女に怖れをなして、リナはただただ黙って目を伏せる。 ――ああ、どうしてこんなに敵わないのか。
それはね、ねえちゃんに似てるからだよ^^ (シルリナ考察を参照のこと)
2006年01月15日(日)
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