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■ 白銀の弾丸を放て【デュクリナ】
ほんとに短いですが、リナ→デュクリスです。 このタイトルを読んで真っ先に思い出したのは彼のことでした。 白銀の弾丸、白銀の魔獣、字面が似てるよね!
written by みなみ
「死ぬぞ、ばか」 どんな心配の仕方だと思いながら、日の光を遮った呆れ顔を見返す。 「なんかもうあんまり感じないから、へーき」 口を開いてみれば唇がひりひりと痛んだ。凍えてか、反射光に灼かれてか、どちらにしてもいい状態とは言えない気がする。 実際そうなんだろう。ゼルは更に呆れ返って眉間にシワを寄せた。 「そんな顔しないで。もうすぐ戻るわ」 「……相変わらずお前の行動は一切読めん。いい加減、短い付き合いでもないはずなんだがな。」 溜息ついて寝転がったあたしの横に静かに腰を降ろす。踏みしめられて、雪の軋む音。 雲ひとつない空から激しく放たれている光は、ゼルの体に当たってあたしまで届かない。 「あたしは結構読めてきたわ。あんたは実はけっこうやさしい」 くすくす笑うと「ほっとけ」とそっぽを向く。ほらそんな仕草も、なんだかんだもう見慣れたもので。 「雪は嫌いなんじゃなかったか」 「誰がいつ言ったのよ、そんなこと」 「寒いの嫌いだろ」 「だからって雪が嫌いとは限らないわ。現にあたしは好きよ。」 「ふぅん」 納得したのか、元から場しのぎに過ぎない話題だったのか、ゼルは立てた片膝に頬杖をついて一面の雪景色を眺めていた。 あたしは冷たく尖った空気を吸い込んで、目を閉じる。 しんと静まり返った白銀の世界。 凍えきった体は刺すような痛みにすらすっかり慣れて、どこか穏やかな気持ちにさせる。
瞼の裏まで埋め尽くすこの色が、いつから彼を思い出させるようになったのだろう。
そうしてそのたび、ほんの微かに思う。
このまま死んでしまえば会えるだろうか。
2006年01月12日(木)
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