まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2012年10月18日(木) ■本からの話紹介「あるレジ打ちの女性」のその後

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今回のテーマは、質問が多かった
『なぜ、男性は記念日を忘れるのか』


ある家族の「記念日」対策方法をアップしました。
一部ではありますが、ぜひ読んで参考にみてくださいね。
どうぞ、よろしくお願いいたします。





今週は、本からの話紹介です。
よろしくです。<(_ _)>

今日は、昨日からの続きで、
こちらの本からの紹介になります。



元塾教師の木下晴弘さんの本

「涙の数だけ大きくなれる!」です。







■「あるレジ打ちの女性」
(p37〜43まで引用)



「お母さん、私、
 もう少しここでがんばる」




彼女は用意していた辞表を破り、翌日も、
あの単調なレジ打ちの仕事をするために、
スーパーへ出勤していきました。
ところが、「2,3日でもいいから」と
がんばっていた彼女に、ふとある考えが浮かびます。


「私は昔、
 ピアノの練習中に何度も何度も弾き
 間違えたけど、繰り返し弾いているうちに、
 どのキーがどこにあるかを指が覚えていた。
 そうなったら鍵盤を見ずに、
 楽譜を見るだけで弾けるようになった」




彼女は昔を思い出し、
心に決めたのです。
「そうだ、私は私流に
 レジ打ちを極めてみよう」
と。




レジは商品ごとに打つボタンがたくさんあります。
彼女はまずそれらの配置をすべて
頭に叩き込むことにしました。
覚え込んだら、あとは打つ練習です。
彼女はピアノを弾くような気持ちで
レジを打ち始めました。 

 

そして数日のうちに、ものすごいスピードで、
レジが打てるようになったのです。

すると不思議なことに、
これまでレジのボタンだけ見ていた彼女が、
今まで見もしなかったところへ
目が行くようになったのです。
最初に目に映ったのは、お客さんの様子でした。



「ああ、あのお客さん、昨日も来ていたな」
「ちょうどこの時間になったら、
 子ども連れでくるんだ」とか
いろいろなことが見えるようになったのです。
それは彼女のひそかな楽しみにもなりました。

相変わらず指はピアニストのように、
ボタンの上を飛び交います。
そうしていろいろなお客さんをみているうちに、
今度はお客さんの行動パターンやクセに
気づいたのです。

「この人は、安売りのものを中心に買う」とか、
「この人は、いつも店が閉まる間際に来る」とか、
「この人は、高いものしか買わない」
とかがわかるのです。


そんなある日、
いつも期限切れ間近の安い物ばかりを買う
おばあちゃんが、5000円もする
尾頭付きの立派なタイをカゴにいれて
レジへ持ってきたのです。

彼女は、ビックリして、
思わずおばあちゃんに話しかけました。

「今日は何かいいことがあったんですか?」
おばあちゃんは彼女ににっこりと
顔を向けて言いました。

「孫がね、水泳の賞を取ったんだよ。
 今日はそのお祝いなんだよ。
 いいだろう、このタイ」
と話すのです。

「いいですね、おめでとうございます」

うれしくなった彼女の口から、
自然に祝福の言葉が飛び出しました。




お客さんとコミュニケーションを
とることが楽しくなったのは、
これがキッカケでした。
いつしか彼女はレジに来るお客さんの
顔をすっかり覚えてしまい、名前まで
一致するようになりました。




「○○さん、今日はこのチョコレートですか。
 でも今日はあちらにもっと安い
 チョコレートが出ていますよ」
「今日はマグロよりカツオの方がいいわよ」
などと言ってあげるようになったのです。
レジに並んでいたお客さんも応えます。

「いいこと言ってくれたわ。
 今から換えに行くわ」
そう言ってコミュニケーションを
とりはじめたのです
彼女はだんだんこの仕事が楽しくなってきました。


そんなある日のことでした。

「今日は忙しい」と思いながら、
彼女はいつものようにお客さんたちとの
会話をするのを楽しみつつレジを
打っていました。
すると店内放送が響きました。

「本日は混み合いまして大変申し訳
 ございません。
 どうぞ、空いてるレジにお回りください」

ところが、わずかな間をおいて、
また放送が入ります。

「本日は混み合いまして大変申し訳
 ございません。重ねて申し上げますが、
 どうぞ空いてるレジのほうへ
 お回りください」

そして3回目、
同じ放送が聞こえてきた時に、
初めておかしいと気づき、
周りを見渡して驚きました。

どうしたことか5つあるレジが
全部あいているのに、
お客さんは自分のレジにしか
並んでいかなかったのです。



店長があわてて駆け寄ってきます。
そしてお客さんに
「どうぞ空いているあちらの
 レジにお回りください」
と言ったそのときです。



お客さんは、
店長の手を振りほどいて、
こう言いました。

「放っておいてちょうだい。
 私はここへ買い物に来ているんじゃない。
 あの人としゃべりに来ているんだ。
 だからこのレジじゃないとイヤなんだ」

その瞬間、彼女はワッと
泣き崩れました。

その姿を見て、
お客さんが店長に言いました。

「そうそう、私たちはこの人と
 話すのが楽しみで来ているんだ。
 今日の特売はほかのスーパーでも
 やっているよ。
 だけど私は、このおねえさんと
 話すためにここに来ているんだ。
 だから、このレジに並ばせておくれよ」

彼女はボロボロと泣き崩れたまま、
レジを打つことができませんでした。



仕事というのはこれほど、
素晴らしいものなのだと、
初めて気づいたのです。




そうです、すでに彼女は、
昔の自分でなくなっていたのです。

それから、彼女はレジの主任になって、
新人教育に携わったそうです。



(ここまで引用)



どんな会話がなされていたのでしょうね。
それほど、お客さんを引きつけるような…
私も、会話をしてみたい気がします(笑)

もちろん、スーパーに買い物に行って、
そこまで、覚えられたくないわ、
話しかけられたくないわ、
と、思われる方もおらえると思いますが…

きっと、彼女全体の雰囲気が変わって、
何かやさしい、話したくなるような、
オーラのようなものを発するように
なっていたようにも思います。


何かに打ち込むことによって、
そこに楽しさを覚えたり、
そこから世界が広がったりして、
気がついたら、世界が変わっている、
ということはよくあることです。
きっと、何か引きつけるもの、
発するものが、違ってくるのでしょうね。



また、著者の木下さんは、
こう言っておられます。



「彼女は何をやっても
 挫折してしまうその原因を、
 常に他に求めました。
 「また失敗した…上司のせいだ…」
 「仕事が面白くないんだから続かないんだ…」
 と。
 しかし、彼女がそう考えている間、
 同じような出来事が
 彼女の身に起こり続けたのです。
 そして、ある日彼女は「気づいた」のです。
 そして、彼女が気づいたその瞬間から、
 もう二度と同じ出来事は
 彼女の身に起こらなくなるのです。
 でも、その「気づき」は、
 思い通りにならない出来事が起こって
 くれたからこそ、得られたのです。
 だから、あなたがもし、
 「自分にとって都合の悪い出来事」に
 直面しているなら、
 それは「失敗」ではなく、
 二度と起こらないようにすることが
 できるチャンスなのです」と。




本日は、こちらの↓の本からのお話の紹介でした。


元塾教師の木下晴弘さんの本

「涙の数だけ大きくなれる!」です。





そのほか、こんな話が書かれていますので、
もしよろしかったら、読んでみてくださいね。


Story 1 戦渦の子どもたちが望んだもの
Story 2 あるレジ打ちの女性
Story 3 ある生徒の高校受験
Story 4 たった1つの社訓
Story 5 「ミラー細胞」と佐賀北高校
Story 6 なぜ、ガンはV字編隊で飛ぶのか?
Story 7 母の足
Story 8 あるパチンコ店の話
Story 9 夢をあきらめない
Story 10 腐らないリンゴ




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