まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2012年10月17日(水) ■本からの話紹介「あるレジ打ちの女性」

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今回のテーマは、質問が多かった
『なぜ、男性は記念日を忘れるのか』


ある家族の「記念日」対策方法をアップしました。
一部ではありますが、ぜひ読んで参考にみてくださいね。
どうぞ、よろしくお願いいたします。





今週は、本からの話を紹介いたします。
秋は、本を読むのもいい季節ですね〜

秋は、夏に目いっぱい使った身体と頭の疲れをとり、
冬に備える「ひと息いれる」季節なんだそうです。
今週は、心にもひと息いれられる「いい話」を
紹介しますね。



今日、紹介するのは、
元塾教師の木下晴弘さんの本です。


「涙の数だけ大きくなれる!」






この本の中からの話です。



■「あるレジ打ちの女性」
(p31〜37まで引用)



私の仕事上のパートナーで、Tさんという方がいます。
Tさんの勤める会社は人材紹介大手なので、
仕事と人との関わり合いの中、いろいろな
人間ドラマが生まれるのです。



そのTさんから聞いた話で、
強烈に印象に残った話がありました。
私は、このエピソードに
「あるレジ打ちの女性」と
名付けました。




その女性は、何をしても続かない人でした。
田舎から東京の大学に来て、部活やサークルに
入るのはよいのですが、すぐにイヤになって、
次々と所属を変えていくような人だったのです。
そんな彼女にも、やがて就職の時期がきました。



最初、彼女はメーカー系の企業に就職します。
ところが仕事が続きません。
勤め始めて3ヶ月もしないうちに
上司と衝突し、あっという間に
やめてしまいました。

次に選んだ就職先は物流の会社です。
しかし入ってみて、自分が予想していた仕事とは
違うと理由で、やはり半年後にやめてしまいました。

次に入った会社は医療事務の仕事でした。
しかしそれも「やはりこれじゃない」と
言ってやめてしまいました。


そうしたことを繰り返しているうち、
いつしか彼女の履歴書には、入社と退社の
経歴がズラッと並ぶようになっていました。

すると、そういう内容の履歴書では、
正社員に雇ってくれる会社がなくなってきます。
ついに、彼女はどこへ行っても正社員として
採用してもらえなくなりました。



だからといって、生活のためには
働かないわけにはいきません。
田舎の両親は早く帰ってこいと言ってくれます。
しかし、負け犬のようで帰りたくはありません。


結局、彼女は派遣社員に登録しました。
ところが、派遣も勤まりません。
すぐに派遣先の社員とトラブルを起こし、
イヤなことがあればその仕事をやめてしまうのです。
彼女の履歴書には、やめた派遣先のリストが
長々と追加されていきました。



ある日のことです。
例によって「自分には合わない」などと言って
派遣先をやめてしまった彼女に
新しい仕事先の紹介が届きました。
スーパーでレジを打つ仕事でした。

当時のレジスターは、今のように、
読み取りセンサーに商品をかざせば
値段が入力できるレジスターではありません。
値段をいちいちキーボードに打ち込まなくてはならず、
多少はタイピングの訓練を必要とする仕事でした。

ところが、勤めて一週間もするうち、
彼女はレジ打ちにあきてきました。
ある程度仕事に慣れてきて
「私はこんな単純作業のために
 いるのではない」
と考えはじめたのです。


とはいえ、今までさんざん転職を繰り返し、
我慢の続かない自分が、彼女自身も
嫌いになっていました。
もっとがんばらなければ、
もっと耐えなければダメということは
本人にもわかっていたのです。
しかし、どうがんばってもなぜか続かないのです。



この時、彼女はとりあえず、
辞表だけ作ってみたものの、
決心をつけかねていました。


すると、そこへ、お母さんから
電話がかかってきました。
「帰っておいでよ」
受話器の向こうからお母さんの
やさしい声が聞こえてきました。
これで迷いが吹っ切れました。



彼女はアパートを引き払ったら、
その足で辞表を出し、田舎に帰るつもりで
部屋を片付けはじめたのです。
長い東京生活で、荷物の量はかなりのものです。



あれこれ段ボールにつめていると、
机の引き出しの奥から
一冊のノートが出てきました。
小さい頃に書き綴った大切な日記でした。
なくなって探していたものでした。




ぱらぱらとめくっているうちに、
彼女は



「私はピアニストになりたい」



と書かれているページを発見したのです。
そう、彼女の小学校時代の夢です。



「そうだ、あの頃、
 私はピアニストになりたくて、
 練習をがんばっていたんだ…」




彼女は思い出しました。
なぜかピアノの稽古だけは
長く続いていたのです。
しかし、いつの間にかピアニストに
なる夢はあきらめていました。

彼女は心から夢を追いかけていた自分を思い出し、
日記を見つめたまま、本当に動けなくなりました。



「あんなに希望に燃えていた自分が
 今はどうだろうか?
 履歴書にはやめてきた会社が
 いくつも並ぶだけ。
 自分が悪いのはわかっているけど、
 なんて情けないんだろう。
 そして私はまた、今の仕事から
 逃げようとしている…」




そして彼女は日記を閉じ、
泣きながらお母さんにこう電話したのです。



「お母さん、私、
 もう少しここでがんばる」




(ここまで引用)



何も続かない…と苦しんでおられる方は、
とても多いようです。
そして、この苦しみは、続いている人は、
とてもわからない苦しみだそうです。


さて、この女性がどうこの苦しみを
乗り越えていったか、明日書きますね。
ここから、彼女は奮起していくのです。




今日の話は、こちらの本からです。
本を読むのが苦手という方にもおすすめの、
読みやすい構成になっています。






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