読書記録

2023年06月05日(月) 生老病死 / 山折 哲雄

 

 朝日新聞土曜版「be」掲載

今年 数だけでいえば 九十になる
この年輪のなかに 自分の生老病死が
 入っている

いつごろからか
 最後は
生き恥をさらすか
晩節を汚すか
どちらかになる外ないだろう
と予感していた

そこへ 突如として
デジタル社会なるものがあらわれてきた
昨年からは
コロナ・ウイルスが姿をみせはじめた
私の生き恥と晩節が この先どうなるのか
その行方がわからなくなり怪しくなってきた

海図も 見取図も
手元には 何もない

生老病死が 土台ごと揺れはじめた
このようなトンネルのなかを
どのようにはいつくばって
しのいでいけば いいのか

あらためて 問い直してみなければなるまいと 思った














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