読書記録

2021年06月28日(月) 52ヘルツのクジラたち / 町田 その子

 
 52ヘルツのクジラとは、他の鯨の声とは全く違う高い周波数で鳴くため、その声はどのクジラにも届かず「世界で最も孤独なクジラ」と呼ばれている。

52ヘルツのクジラは1989年に発見され、今も生きていて毎年発見されるそうです。
 
貴瑚は実父が死んだあと母と再婚した義父からトイレに閉じ込められるなどの虐待を受けていて、頼みの母には無視されていた。

だから貴瑚は52ヘルツのクジラのことを知り、これは自分のことだと思う。
わたしの声は、誰にも届かない52ヘルツの声だったんだ。


義父が病気になってからは介護をさせられていて、ある日同級生の美晴に出会い、アンさんという男性(実は女性だった)に救われる。
昔、祖母が住んでいた大分の家に引っ越して、そこで自分と同じような経験を持つ少年と知り合った。
その少年に自分と同じ虐待の匂いを感じ、その少年を「52」と呼ぶことにした。

最終はその少年と一緒に住みたいと願うが、それは親権の問題もありすぐに叶うことではなかった。




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