読書記録

2019年09月03日(火) エンディング・パラダイス / 佐江 衆一

 八十八歳の昭平は妻を亡くし、子もなく老人ケアハウスで暮らしていたが、亡き父の遺言を果たすため中国の豪華客船で南太平洋(ニューギニア)の島に遺骨収集の旅に出た。
客船で知り合ったボルタリングをする91歳の米国籍女性のツルコが同行を申し出た。
辿りついた地は村の人々が原始的な生活をして平和に暮らす桃源郷だった。
負傷した父を助けてくれた部族だが父のことを覚えてくれている老人もいた。
昭平はツルコと共に村で暮らす決心をする。
遺骨収集の途中で中国、アメリカ、そして日本の大企業による天然ガス採掘の足音に気づく。
純朴な原住民たちはシュールガスの恐ろしさも知らないから、昭平は共に村を守り闘う決意を固める。人生終焉の地と決めた村で渾身の力をもって未来を切り拓いて守り抜こうとする老人の成長物語、というか未来小説である。
というのも設定が東京オリンピック後になっているからだ。

それにしても・・・88歳と91歳の老人が何とも元気なことで羨ましい限りだ。

 私が読んだのは3部作の最終版だったようだ。
1部・2部では昭平とツルコのそれぞれの戦争体験が書かれているらしい。






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