2019年01月22日(火) |
すぐ死ぬんだから / 内館 牧子 |
面白くて一気読み。
でも読みながらずっと思ってたのは ” もう ” をつけて 『もうすぐ死ぬんだから』のほうがいいと思ったんだけど。
自他ともに仲のいい夫婦、夫に愛されていると思い込んでいた55年の結婚生活だったが、急死した夫には42年来の愛人がいた。 しかも37歳の息子までいた。 夫に死なれて逆行性健忘症になるくらいショックを受けたというのに。
夫・岩造の口癖だった 「平気で生きて居る」 「俺の人生でハナと結婚したことがいちばんよかった」 これらの言葉はあながちウソではなかったけれど、この言葉を口にすることで岩造なりに詫びていたのだろうなぁ。
それにしても老後を平穏にしてくれるのは家族との関係が大いに影響するのだと改めて思う。 そして経済状況も大いに関係する。 主人公ハナには心強い娘と息子、孫もいて嫁もそれなりにハナの味方だ。
人は適当なところで死ぬのが幸せなんだ。それが老人の品格というものだよ。
女の人生を自由にするのは、本人の経済力だ。
セルフネグレスト 育児放棄ではなく、自分を放棄してしまうこと。 人は生きていく意欲がなくなるとそこに行き着く。
私は主人公・ハナのようには生きれない(身ぎれいにして、とにかく前向き)けれど、著者はいい物語を書いたなぁと感謝。
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