読書記録

2018年05月11日(金) 下流老人/藤田 孝典

 一億総老後崩壊の衝撃

下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」と作者は定義する。

下流老人は、いまや至るところに存在する。日に一度しか食事をとれず、スーパーで見切り品の惣菜だけを持ってレジに並ぶ老人。生活の苦しさから万引きを犯し、店員や警察官に叱責される老人。医療費が払えないため、病気を治療できずに自宅で市販薬を飲んで痛みをごまかす老人。そして、誰にも看取られることなく、独り静かに死を迎える老人……。

12年間、下流老人を含めた生活困窮者支援を行うNPO法人の活動に携わってきた著者ならではの、これからの超高齢化社会に向けた警鐘の書。

年収400万円以下だと、将来「下流老人」になる確率が高いという。
約600万人が一人暮らし、うち半数は生活保護レベル、これは今の日本の現状。
そして団塊の世代が高齢者になる近い将来は老後崩壊が待っている。

さらに日本では高齢者に限らず、貧困が広がり続けている。下流老人の問題は、その一部分を表しているに過ぎない。子どもの貧困や若者の貧困、女性やシングルマザーの貧困も看過できるようなレベルにはもはやないという。












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