| 2014年04月28日(月) |
あなたと共に逝きましょう 村田 喜代子 |
主人公の女性は60代で大学の講師、夫は会社を経営している。 ある日体の不調を訴えて医者にかかったら胸部大動脈瘤が相当の大きさになっていると診断された。 すぐに入院し手術をすべきと言う医者に対し、どうしても他の方法で直したいと願う夫。その間で、夫へのこれまでの思いが愛憎となって湧き上がり、どうしても整理できなくなるのが主人公だが、こういう場面は多くの妻たちの共通した思いだと大いに共感した。 民間治療に山奥の温泉に湯治に行くのだが、女郎姿の自分といった官能的な夢をみたりと、ほとんど支離滅裂になりそうな病人の日常を書いている。
結局は手術を受けて生還するという闘病記なのだが、頑固でも一種の信念を持ち続ける夫と、夫に腹をたて我慢に我慢を重ねてきた妻の心の動きがときに長年連れ添った夫婦の重さと強さというか、私と同年代の主人公の想いは自分自身の気持ちと重なるところも多く、一気に読んだ。
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