| 2013年05月05日(日) |
キサキの大仏 奥山 景布子 |
天平時代のロイヤルファミリーが、 東大寺に大仏建立という稀有の大事業に挑んだ聖武天皇、それを支えた光明皇后の夫婦の物語。
好きで通っている歴史講座のおさらいのような物語だった。 講座では複都を作りたかった聖武天皇と、夫唱婦随ではあったけれど決して内助の功ではなかった光明皇后という見方をしていたけれど、この物語もそんな展開だった。 ただ光明皇后が夫である”我が君さま"である聖武天皇を深く愛していて、夫婦仲がとても円満な設定になっていた。 長屋王のことも安積皇子のことも決して藤原氏の陰謀などではなくて仕方のなかった出来事なのだ。 だから光明皇后は藤原一族を背負う立場にいても、ただただ愛する夫の悲願のために表に立つこともあったというのだ。
そして 聖武天皇の後に御位について孝謙天皇となった娘・安倍との母娘の葛藤も織り込んであった。
天平時代や大仏建立にまつわるこの時代の物語を数多く読んだが、やっぱり大好きだわ。
我が背子と二人見ませばいくばくか この降る雪の嬉しからまし
『万葉集』巻第八 藤原后、天皇に奉る御歌一首
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