読書記録

2013年01月21日(月) 放蕩記               村山 由佳


 作者の半自伝的小説ということだが、母とのことはほとんど事実なのだろう。
タイトルにある  ”放蕩” という言葉の持つ意味から、作者は自分に流れる血は母親譲りだと信じきっていたようだが、母がボケた晩年に聞かされた父からのカミングアウトは母ではなく父に似たのだという放蕩だった。
それを聞いたからということもあるが、娘を思う母の真実を知って作者はようやく母を許せたということなのだ。


娘・夏帆、38歳、小説家。母・美紀子、78歳、主婦。強烈すぎる母親の呪縛から逃れようともがく夏帆の子供の頃からの思い出と現在の心境とが読みやすい文章になっていた。

でも私からすると、たいていの母親は子供にはみんな強烈な存在を放っているものだと確信する。
私も親との関係にかなり苦しんだし、そこから逃げるように結婚した。
でも子供を持ってからはいろいろな場面での親の行動が理解できるようになったし、知らず知らずのうちに自分も同じ行動をとっていることにも気づかされた。
そして親を亡くしてからはすべてを許すことができた。
そして今は許すという言葉も傲慢なことだと思っている。


 親を否定すれば自分を否定することになる。
(これは息子の言葉だけれど、この言葉に私は救われたのだ)


















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